ドウダンツツジ人気の火付け役 福島県のレジェンド生産者さんを訪ねて

枝ものの代名詞的人気を誇るドウダンツツジ。その立役者といわれる福島県の生産者さんに会いに行きました。
流通時期は休みなく入り続けるという山を一緒に歩き、自然の偉大さや枝ものの大切さにあらためて気づかされる機会となりました。
輝く星のような葉姿で日持ちもしやすい大人気の枝もの、ドウダンツツジ。 庭木や街路樹としてもよく植えられていますが、枝ものとして流通しているものとは品種が異なります。
特に人気が高まったのは2015年頃だそうで、その火付け役とも言われるレジェンド生産者さんにお会いすることができました。

その方が、福島県で30年近く前からドウダンツツジを出荷している蓮實(はすみ)さん。
配送の仕事をしていたときに地元のお花屋さんから「山の枝を採ってくれたら買い取りたい」と言われたのがきっかけで山採りを始めたそう。

しばらくすると地元や東京の市場に出荷するようになり、植物やインテリアを愛する方々の目に留まり人気が急上昇。今では関東地域の各市場から注文が入ります。
これまで10名以上のお弟子さんが巣立っており、SiKiTOが仕入れるドウダンツツジの生産者リストには蓮實さんから学んだ方々の名前が並びます。

SiKiTO代表が伺った際にぜひ山を見たいとお願いすると、舗装されていないガタガタ道の先にあるドウダンツツジの群生地を案内してくれました。
ドウダンツツジが自生するのは、養分が少ない北向きの傾斜面。日当たりがよくない場所ではわずかな光を求めて枝が横に広がり、葉は小さくなるため観賞用として人気が高いのだそうです。

しかし、そんな環境のためか成長が非常に遅いことも特徴。1年で10cm程度しか成長せず、一度収穫すると次に100cm程度で出荷できるのは10年後。200cm級の超長尺になるには20〜30年もかかります。

群生地のなかで驚いたのは、葉の美しさでした。まわりの葉は虫食いだらけなのにドウダンツツジだけは美しいまま。鹿は好んで食べるそうですが、この地域では頭数が少ないため獣害もあまりないのだそう。
全国の産地のなかには鹿が増えたことで以前のように収穫できなくなったところもあると聞き、あらためてその希少性に気付かされます。

山採りでもっとも大切なことは、自生地を見つけ計画的に収穫すること。広く深い山のなかで「ここは来年収穫できる」「あちらはあと10年かかる」という蓮實さんだけのマップが頭のなかに広がっています。
ドウダンツツジは新緑時期の4月から紅葉時期の11月頃まで流通するため、その期間は休みなく注文に追われます。 険しい斜面のなか収穫した枝を担ぎ歩き、ヘビやマムシとの遭遇は日常茶飯事。これまでスズメバチには10回以上刺されたそう。

命がけの現場から届く1本のドウダンツツジ。ご自宅まで運ばれる道のりにも時折思いを馳せていただけたら嬉しく思います。
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