【二十四節気】
霜降(そうこう)

霜降(そうこう)
10月23日〜11月6日頃
朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなる、秋最後の節気。文字どおり草木に初霜が降りる頃を意味します。
北国などでは露(つゆ)が霜(しも)に変わる頃です。 氷の結晶である霜は、かつては雨や雪のように空から降ってくると思われていたのだそう。そのため、霜は「降る」と表現します。
冷えた空気の中に宿る清らかな美しさを感じながら、冬支度を始めましょう。
七十二候
10月23日〜27日頃「霜始降(しもはじめてふる)」

初霜が降り、草の葉先が白く凍る頃。
朝日を浴びて輝く霜は、ほんの束の間で消えてしまう儚い存在。その一瞬のきらめきに、季節の移ろいの美しさが凝縮されています。
10月28日〜11月1日頃「霎時施(こさめときどきふる)」

時おり小雨がしとしとと降る頃。
紅葉の葉を濡らす雨が、いっそう色を深めていきます。静かな雨音に耳を傾けると、秋がゆっくりと終わりに向かっていることを感じます。
11月2日〜6日頃「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」

山の楓や蔦が赤や黄色に色づく頃。
山肌が燃えるように彩られ、晩秋の華やかさが最高潮に。散りゆく葉の一枚一枚に、季節の詩のような美しさが宿ります。
旬の味わい、行事など
霜降の頃は「食欲の秋」の締めくくり。きのこ、れんこん、春菊、大根など、冬野菜が次々と顔を見せ始めます。
鍋料理やおでん、煮込み料理など、体を温める食が恋しくなる季節です。

果物では、柿やりんごが甘みを増し、柚子やみかんも出回りはじめます。
また、この時期の鮭や鰤(ぶり)は脂がのって美味。秋の味覚が一段と深みを増します。

米どころでは収穫を終えて冬支度を始める頃。
地域によっては、五穀豊穣を感謝する秋祭りが行われることも。
「霜降」まとめ
霜降は、秋の締めくくりであり、冬のはじまりを告げる節気。自然がゆっくりと眠りにつく準備をはじめる時期です。
朝の霜、冷たい風、紅葉の彩り――そのすべてが季節の静かな余韻を奏でます。
ひとつひとつの景色が、どこか懐かしく、そして切なく心に残ります。
霜が降りる朝、吐く息の白さを見つめながら、一年の巡りの確かさを感じてみませんか。
霜降は、自然の息づかいが静かに冬へと移りゆく、美しい季節の終章なのです。
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