【枝もの産地訪問】
晩春を彩る貴重な枝もの 花ツツジの生産現場を訪問

短い春の終盤、4月頃の定番花材となっている田無ツツジやベニキリツツジ。この時期に質も量も安定して流通している貴重な枝ものです。
まだまだ冬の気配が残る3月上旬に、茨城県坂東市の栽培現場を訪ねました。

毎年1〜4月頃にお届けしている、花が咲く枝ものたち。
SiKiTOの枝もの定期便では花ものシーズンの締めくくりとして花ツツジを多くの方にお届けしています。大きな花が咲くツツジは街路樹としてよく目にするものの、枝ものとしての流通は少し珍しいといわれます。

1年を通じて季節の枝ものをお届けしている私たちですが、じつは枝ものの調達にもっとも苦労するのが4月頃。
花が終わり新緑の芽吹きと交差するこの時期に、質がよく流通量も安定している枝ものを探し回り、ようやく見つけたのが花ツツジでした。
今年の4月にもっとも多く取り扱ったのは、小ぶりな紅色の花が可愛らしい田無ツツジ。

東京都田無地区(現在の西東京市あたり)で多く栽培されたことが名前の由来となっており、今でもツツジは西東京市の「市の花」のひとつとして親しまれています。

今年の3月には花ツツジの栽培現場を訪問させていただくことができました。
今回伺ったのは茨城県坂東市で数代続くというベテラン生産者さん。

圃場にずらりと並んだツツジは列単位で収穫していくため、列ごとに枝の高さが異なっています。
収穫したばかりの株は地面から切り口だけが見えている状態。また出荷できる枝ぶりに育つまでは5年ほどかかるそう。

収穫を終えた株は丸坊主状態
1年目の若木は寒さや虫の影響を受けやすいため、こまめな消毒作業などの手入れが必要になります。
浅く伸びる根が傷んだり葉色が悪くならないよう、気候や土の状態を見ながら肥料を調整します。

ほかの枝ものと比べて株同士が密集しているのが特徴
夏場は猛暑下で急成長する雑草を手作業で取り除き、夕立が降れば急激な土蒸れや根腐れを心配しつつ広い圃場を整える苦労の数々。
この数年で増えているという害虫も、猛暑と無関係ではないのかもしれません。

大きなものは身長ほどの高さ
収穫の時期になると、お客さまの元に届いたときにちょうどよい状態となるよう蕾が色づいてきた段階で収穫し5℃以下の低温で開花調整をしながら出荷を待ちます。
このような数々の手間と長い時間をかけて収穫した枝ですが、出荷できるのは全体の2/3程度だとか。形が崩れたり短すぎるものは廃棄するしかなく、これも自然栽培品ならではの厳しい現実です。

苔のある枝は、生け花で古木の趣や力強さを表現するのに最適
出荷量が減少傾向だった花ツツジですが、この数年はSiKiTO向けに出荷量を増やしたと伺い、貴重な畑を残してくださっていたことに感謝せずにはいられません。
必要数量を事前に共有し、計画的に収穫を進めていただきました。
生産者の立場から見ても、大きな枝ものは持ち帰りづらく一般的な花屋さんでの売れ筋商品とはいえないと言います。ですが、欲しいと言ってくれる方へ直接届けられる枝もの定期便のようなやり方なら話は変わると続けてくださいました。

圃場には立派なサンシュユも
お客様の暮らしに美しい風景をお届けすること、「これがないと困る人がいるから。」と代々続いてきた事業継続の一助となること、どちらにも貢献できるようこれからも枝もの生産者の方々から学んでいきたいと思います。
自宅で待つだけ、飾るだけ。枝もの定期便
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