コンテンツへスキップ

記事: 【枝もの図鑑|冬】クロモジ(黒文字)


【枝もの図鑑|冬】
クロモジ(黒文字)


みなさまこんにちは。

SiKiTOの「枝もの定期便」では、その時々の天候や仕入れ状況に応じて、プロが選定したベストな枝ものをお届けしています。

今回ご紹介する枝ものは『クロモジ(黒文字))』です。

クスノキ科クロモジ属の落葉低木。

関東以西の本州、四国、九州北部に自生しており、その名前は樹皮の黒い斑点が文字のように見えたことに由来します。

12月から2月の最も寒い時期に流通する日持ちの良い枝ものです。

すらっと伸びた枝の先端に細長い蕾をつけた姿は冬の風情によく合います。野山では3月から4月にかけて淡黄色の小さな花を咲かせ、春の訪れを告げる枝もののひとつです。

枝葉の切り口からは甘く品のある香りが漂う日本在来の香木としても知られ、精油(クロモジ油)や茶外茶(クロモジ茶)としても利用されます。また、古くから天皇陛下の即位式にあたる「大嘗祭」で、クロモジの垣根を作り、周囲に香りを漂わせ、儀式の荘厳さをより強調する役目を担ってきました。

薬用としてもとても有用で、抗菌作用やリラックス効果がある精油成分を含み、入浴剤や薬酒としても利用されています。

クロモジの枝は、香りの良さと美しさから高級爪楊枝にも使われ、西日本では爪楊枝そのものを「黒文字」と呼ぶ地域もあります。

 

*SiKiTOの枝もの図鑑は、こちらから。

    

こちらの記事もおすすめ

#枝もの図鑑

【枝もの図鑑|冬】
松(マツ)

マツ科の常緑樹。北半球の寒帯から亜熱帯に広く分布しており、日本では年中青々...

#枝もの図鑑

【枝もの図鑑|春】
木瓜(ボケ)

バラ科ボケ属の落葉低木。瓜のような実の姿から「木瓜」→「もけ」→「ぼけ」と...