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記事: 【二十四節気】白露(はくろ)


【二十四節気】
白露(はくろ)


朝露がきらめく白露の頃の草木

白露(はくろ)とは、二十四節気の一つで、朝晩の空気が涼しくなり、草木に白い露が宿り始める頃です。例年9月7日または8日頃に始まり、次の節気である秋分の前日頃まで続きます。日中にはまだ夏の暑さが残るものの、朝夕の涼しさや虫の声、澄んだ空など、身近な景色のなかに少しずつ秋の気配が感じられる季節です。


白露とは

9月7日頃〜9月22日頃

ようやく秋の澄んだ空気が漂い始める頃を表す「白露(はくろ)」。二十四節気では、処暑の次にあたる15番目の節気です。

「白露」という名前のとおり、この頃になると朝早く、草木の葉先や花びらに小さな露が宿るようになります。朝日を受けた露が白くきらめく様子は、秋の訪れを目に見える形で知らせてくれる風景です。

日中にはまだ残暑を感じる日もありますが、朝夕はずいぶんと涼しくなり、窓を開けると心地よい風を感じられるようになります。

夜になると、鈴虫やコオロギなど秋の虫の声が聞こえ、空を見上げれば夏よりも高く澄んだ空が広がります。月の光もどこか冴えて見え、季節が少しずつ秋へと進んでいることを感じます。

野山では実が色づき始め、田んぼでは稲穂が黄金色へと変わっていく頃。夏には勢いよく茂っていた草木にも、少しずつ秋らしい表情が現れ始めます。

ひと粒の露、虫の声、澄んだ空。白露は、そんな小さな自然の変化から、静かに秋の訪れを感じられる季節です。

白露の七十二候

9月7日〜11日頃「草露白(くさのつゆしろし)」

草露白(くさのつゆしろし)

草の葉に降りた露が、白く輝いて見える頃。

夜のあいだに冷えた草木の表面には、空気中の水分が小さな水滴となって宿ります。朝日を受けると、その一粒一粒が光を反射し、白くきらめいて見えます。

露は日が高くなるとやがて消えてしまいます。その儚い輝きもまた、移ろいやすい秋の美しさを感じさせるものです。

白露という節気の名前を、そのまま風景にしたような「草露白」。朝の草むらに目を向けてみたくなる七十二候です。

9月12日〜16日頃「鶺鴒鳴(せきれいなく)」

鶺鴒鳴(せきれいなく)

鶺鴒(せきれい)が鳴き始める頃。

鶺鴒は、川辺や田んぼ、水辺の近くなどでよく見られる鳥です。長い尾を上下に振りながら歩く愛らしい姿でも知られています。

澄んだ秋空の下に響く軽やかな鳴き声は、夏とは違う爽やかな空気を感じさせてくれます。

古くから日本人に親しまれ、日本神話にも登場する鶺鴒。鳥たちの声からも、季節の変化を感じられる頃です。

9月17日〜21日頃「玄鳥去(つばめさる)」

玄鳥去(つばめさる)

春に日本へやって来たツバメが、南の地域へと旅立つ頃。

春の清明の七十二候「玄鳥至(つばめきたる)」で渡ってきたツバメたちは、日本で子育てを終えると、秋になる頃には暖かな南の地域へ向かいます。

旅立ちを前に、軒先や電線などにツバメたちが集まる姿を見かけることもあります。

草に露が宿り、鶺鴒が鳴き、ツバメが南へ旅立っていく。白露の七十二候には、夏から秋へと確かに季節が進んでいく様子が描かれています。

白露の旬の食べ物・行事

白露の頃になると、食卓にも秋の実りが少しずつ増えてきます。

野菜では、里芋やかぼちゃ、れんこん、きのこ類などが旬を迎える頃です。煮物や汁物にすると、ほっとするような滋味深い味わいを楽しめます。

白露の頃に旬を迎える里芋などの秋野菜

果物では、ぶどうや梨、いちじくなどが食べ頃を迎えます。みずみずしい果汁とやさしい甘さは、まだ暑さの残るこの時期にもぴったりです。

栗や柿なども少しずつ店頭に並び始め、果物売り場の景色からも秋の深まりを感じられるようになります。

白露の頃に旬を迎えるぶどうなどの秋の果物

魚では、秋刀魚や鮭、秋イカなどが旬を迎える頃です。塩焼きにした秋刀魚の香ばしい香りなど、秋ならではの味覚を楽しめます。

また、年によっては白露の頃に「十五夜(中秋の名月)」を迎えることもあります。十五夜は旧暦8月15日の夜を指すため、現在の暦では毎年日付が変わります。

十五夜に眺める中秋の名月

十五夜には、すすきや月見団子、里芋などを供え、秋の美しい月を眺める「お月見」の風習があります。

空気が澄み始める秋は、月を眺めるのにも心地よい季節。明るい月を眺めながら、季節の移り変わりや実りへの感謝を感じる時間として、古くから親しまれてきました。

田んぼでは稲刈りが始まる地域もあり、黄金色の稲穂が広がる景色も見られるようになります。白露は、秋の味覚だけでなく、実りの季節の始まりを感じられる頃でもあります。

白露に関する豆知識

「白露」にはどんな意味がある?

「白露」という名前は、草木についた朝露が白く輝いて見える様子から生まれたといわれています。

この頃になると、昼間はまだ暑くても、夜から朝にかけて気温が下がるようになります。冷えた草木の表面に空気中の水分が集まり、小さな露となって現れます。

朝日が差し込むと、葉先についた露が光を反射し、白くきらきらと輝いて見えます。

白露の「白」は、単に色を表すだけではありません。古代中国の陰陽五行では、「白」は秋に配当される色とされています。

朝露の輝きと、秋という季節。その両方を感じさせる「白露」という名前には、昔の人々の繊細な季節感が表れています。

朝露はどうしてできる?

白露を象徴する「露」は、空から雨のように降ってくるものではありません。

昼間に暖められた地面や草木は、夜になると少しずつ熱を失い、冷えていきます。すると、草木の周りにある空気も冷やされ、空気中に含まれていた水蒸気が水滴へと変わります。

その小さな水滴が、葉や草の表面についたものが「露」です。

特に、よく晴れて風の弱い夜から翌朝にかけては地面の熱が逃げやすく、露ができやすくなります。

朝になって気温が上がると、露は再び水蒸気となって消えていきます。早朝だけ見ることのできる小さな輝きだからこそ、昔から秋の風情を感じさせるものとして親しまれてきたのでしょう。

白露におすすめの枝もの

朝晩の空気が涼しくなり、少しずつ秋の気配が濃くなる白露の頃には、色づき始めた葉や実を楽しめる枝ものがおすすめです。

なかでもこの季節に飾りたいのが、ナツハゼです。

ナツハゼは、細やかに伸びる枝に小さな葉と実をつける枝ものです。夏には緑だった葉が季節の移り変わりとともに少しずつ赤みを帯び、秋らしい表情へと変化していきます。

葉の間には小さな実もつき、緑の葉、色づき始めた葉、実が重なり合う姿からは、夏と秋が同居する白露の頃ならではの景色を感じることができます。

白露におすすめのナツハゼの枝もの

自然な枝ぶりを生かして大きめの花器に生けると、野山の一部をそのまま切り取ったような、伸びやかな景色を楽しめます。

もう一つおすすめしたいのが、ノバラです。

ノバラは、秋になると細い枝に小さな実をたくさんつける枝ものです。実は季節が進むにつれて緑から赤へと少しずつ色づき、枝いっぱいにころころと連なる姿を楽しめます。

白露におすすめのノバラの枝もの

華やかな花とはまた違う、素朴で野趣のある佇まいもノバラの魅力。一本だけシンプルに生けても、秋らしいアクセントになります。

ナツハゼの色づき始めた葉と、ノバラの小さな実。どちらも、まだ夏の緑を残しながら少しずつ秋へと変わっていく白露の季節によく似合う枝ものです。

朝の空気がひんやりとし、野山の草木にも秋の表情が現れ始める白露。部屋にも季節の枝ものを迎えて、小さな秋の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ナツハゼの枝もの

【枝もの図鑑】ナツハゼ

ノバラの枝もの

【枝もの図鑑】ノバラ

白露のまとめ

白露は、二十四節気の一つで、朝晩が涼しくなり、草木に白い露が宿り始める頃。

草の葉には露が輝き、鶺鴒の声が澄んだ空に響き、春にやって来たツバメは南へと旅立っていきます。七十二候にも、夏から秋へと季節が進んでいく様子が表されています。

里芋やれんこん、きのこ、ぶどうや梨、秋刀魚など、食卓にも秋の味覚が少しずつ増えてきます。年によっては十五夜を迎え、澄んだ夜空に浮かぶ月を楽しむ時期でもあります。

部屋にはナツハゼやノバラなどの枝ものを飾り、色づき始めた葉や実から秋の訪れを感じるのもおすすめ。

朝露の光、虫の声、澄んだ空、少しひんやりとした風。

夏から秋への移ろいはとても静かなものですが、身近な自然に目を向けると、小さな秋のしるしがあちらこちらに見つかります。ひと粒の露にも季節の変化を感じながら、白露の頃を楽しんでみてはいかがでしょうか。

呂 郁江

この記事を書いた人
呂 郁江

ガーデニング好きな母の影響で草花のある生活を好む。旅行先での植物探しが趣味。現在はSNS運用と読み物ページのライティングを担当。

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