【二十四節気】
立夏(りっか)

立夏(りっか)
5月5日〜20日頃
夏の始まりとされる「立夏(りっか)」は、大地全体が一気に目覚めるような節気です。暦の上ではこの日から夏となります。
日差しは日毎に強さを増し、草木はぐんぐんと背を伸ばします。近年ではもう汗ばむ日もあるほどで、もう上着は必要なさそうです。
心地よい陽気と若葉の香りに包まれて、行楽地に出かけたくなる季節です。
七十二候
5月5日〜9日頃「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」

冬眠から目覚めた蛙たちが、田んぼや水辺で声を上げはじめます。
ケロケロケロ…という賑やかな声は田植え目前の水田に響き渡り、夜には星空とともに合唱のような趣。蛙たちの小さな命が動き出すとき、田んぼもまた生命力に満ちていきます。
5月10日〜14日頃「蚯蚓出(みみずいづる)」

暖かさに誘われてミミズたちも地表に現れます。
ミミズが現れる場所は、土が元気な証だと言われます。地面のなかでひっそりと過ごしながら、大地を豊かにしてくれているのですね。
5月15日〜20日頃「竹笋生(たけのこしょうず)」

竹林ではたけのこが顔を出す頃。地表に出る頃には1日数cm、ピーク時には1日で1m以上伸びることもあるのだとか!
柔らかくてほんのり甘いたけのこはまさに旬。炊き込みご飯や煮物として食卓に並びます。
旬の味わい、行事など
この時期の野菜売り場には、そら豆、スナップえんどう、絹さや、アスパラガスなどの緑鮮やかな食材が並びます。みずみずしさとほろ苦さを併せ持つ味わいは、さっと茹でるだけでも格別です。
初ガツオも旬です。太平洋を北上するカツオは脂がのる前のあっさりとした味わいで、「初物を食べると寿命が延びる」といった言い伝えとともに、昔から人々に親しまれてきました。

5月5日は「端午の節句(たんごのせっく)」。菖蒲湯に入ったりして、子どもの健やかな成長を祈ります。こいのぼりや五月人形が飾られ、家が勇ましく華やぐ行事となっています。

「立夏」まとめ
立夏は、自然の呼吸がぐっと早くなるような、躍動感にあふれる節気です。
草花が勢いよく芽吹き、空を見上げればきらきらとした光が降りそそいでいます。
そっと耳を澄ますと、木々の間を渡る風の音、鳥たちのさえずり、蛙の声が入り混じり、自然界全体が目に見えないリズムを奏でているのを感じられるでしょう。
日々のなかでふと足を止めて、若葉の匂いや、太陽のあたたかさを深く味わってみませんか。
これからやってくる本格的な夏に向けて、自然も人も、力を蓄える季節です。
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