コンテンツへスキップ

記事: 【二十四節気】清明


【二十四節気】
清明


清明(せいめい)

4月4日〜19日頃

春の陽ざしがやわらかく降り注ぎ、万物がいきいきと輝きはじめる頃。

「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉から生まれたといわれる節気「清明」は、その名のとおり、空気は澄み、草木は萌え、すべてのものが清らかで明るい光をまとう季節です。

寒さがゆるみ、ようやく外へ出たくなる気候になると、庭先や公園の花々が次々と咲きはじめ、景色は日に日に彩りを増していきます。梅のあとを追うように咲く桜は、この時期の主役。風に乗って舞う花びらが地面に積もる様は、まるで春の雪のようです。

自然がやわらかく微笑みかけてくるような清明の頃。空を見上げれば、冬の冷たさを引きずった空気とは違う、どこか優しさを帯びた青空が広がります。風には土と草の匂いが混じり、深呼吸するたびに体の奥まで春が届くような、そんな季節です。

 

七十二候

4月4日〜8日頃「玄鳥至(つばめきたる)」

長い旅路を経て、南からツバメが戻ってきます。

空を切り裂くように低く飛びながら、田畑や軒先を忙しそうに行き交うその姿は、どこか懐かしく、春の風物詩として私たちの記憶に刻まれています。ツバメは豊作の象徴ともされ、人々はその訪れを喜び、巣を大切に見守ってきました。

 

4月9日〜14日頃「鴻雁北(こうがんかえる)」

冬を越すために日本に渡ってきていた雁が、北の大地へと帰っていきます。

空高くV字を描いて飛ぶその姿は、去っていく季節を静かに見送るようでもあり、また次の巡りへの期待を抱かせてくれます。別れと旅立ちが交錯する、春ならではの風景です。

 

4月15日〜19日頃「虹始見(にじはじめてあらわる)」

空気中の水分と陽の光が織りなす虹が、今年最初に姿を見せる頃。

雨上がりの空にふとあらわれる七色の弧は、自然が私たちに贈るひとときの奇跡。虹を見つけた瞬間、どんな人も子どものように嬉しくなるのは、理屈ではなく心が反応しているからかもしれません。

 

旬の味わい、行事など

桜が咲いているうちに春の美味しさをお弁当箱に詰めこんで、家族や友人とのお花見を楽しみたい時期です。

桜吹雪の下で、だし巻き玉子や菜の花のおひたしとともに日本酒をくいっと。そんな素朴な景色を見るたびに、きっと数百年前の人々も同じことをしていたのではないかと思い描いてしまいます。

スーパーの野菜コーナーには、春キャベツ、菜の花、新玉ねぎといった、春らしい食材が並びます。

鰆(さわら)や真鯛といった春の魚も見逃せません。鰆は字のとおり「春を告げる魚」と呼ばれ、この時期が旬です。ふっくらとした身には脂がのり、焼いても煮ても上品に仕上がります。

沖縄や奄美地方では、「清明祭(シーミー)」として祖先をまつる行事が行われます。親族が墓前に集まり、お墓を掃除したりお供え物をしたり、先祖の供養を祈りつつピクニックのような時間を過ごします。

昼間は暖かい日も増えて心も身体も自然と外へと向かいますが、朝晩はまだ冷え込みます。体調には十分気をつけてくださいね。

 

    

こちらの記事もおすすめ

#SiKiTOの取り組み

【枝もの自社栽培】
豊丘村での枝もの栽培開始から1年

2024年4月の就任からあっという間に1年が経ちました。移住してから豊丘村...

#四季のこと

【二十四節気】
穀雨(こくう)

恵みの雨が空から降り注ぎ、穀物を育む大地に水分と栄養がため込まれる頃。春の...