【二十四節気】
小暑(しょうしょ)

小暑(しょうしょ)
7月7日〜22日頃
夏の暑さが本格化する「小暑(しょうしょ)」。
空を見上げれば、もくもくと立ちのぼる入道雲。暖かく湿った空気が上昇し、上空で冷やされた空気が水滴や氷の粒になったものが集まることであのもくもくとした大きな雲になります。
蝉の声があちこちに響き、地上には強い日差しと熱風が降りてきます。しかしまだ梅雨明け前の地域もあり、蒸し暑さが体にこたえる季節でもあります。
暦では暑気に入る頃とされ、「暑中見舞い」を出し始める目安にもなります。日差しが日に日に強くなり、近年はもうすっかり真夏の時期。草木の葉はいっそう濃くなり、川や海は光を反射してきらきらと輝くまぶしい季節です。
七十二候
7月7日〜11日頃「温風至(あつかぜいたる)」

熱を帯びた風が吹きはじめる頃。
梅雨の重たい空気のなかにもふと吹く風に確かな夏の気配を感じます。草木が揺れ、すれ違う人の髪がふわりと動く瞬間に、季節が進んだことを肌で実感できるはず。
この風はただ暑いだけではなく、植物を乾かし、虫たちを目覚めさせ、夏の暮らしを整えてくれる風でもあります。
7月12日〜16日頃「蓮始開(はすはじめてひらく)」

池や沼の水面に蓮の花がふんわりと開きはじめます。
早朝の静かな水辺に浮かぶ大輪の花。神聖なものとして古くから愛されてきた蓮には、どこか時間がゆっくりと流れるような趣があります。開いては閉じ、数日で散る儚さも魅力のひとつです。
水面に揺れる葉と花、その間を泳ぐ魚たち。暑さのなかに涼を感じる光景です。
7月17日〜22日頃「鷹乃学習(たかすなわちがくしゅうす)」

鷹の雛が巣立ちの準備をはじめ、飛び方を覚える頃。
高い空の下で何度も羽ばたきを繰り返す小さな鷹の姿に、自然界の厳しさとしなやかな成長の力が同居しています。空に向かって真っ直ぐに舞い上がる姿は、夏の空の広さと清々しさをあらためて感じさせてくれます。
一歩ずつ、確かに自分の力で生きるために羽ばたいていく。自然の中の小さな物語が夏空に描かれています。
旬の味わい、行事など
小暑を迎える頃、店先には夏の恵みが豊かに出そろいます。
トマト、きゅうり、ナス、ゴーヤ、オクラ、とうもろこしなど、色鮮やかで瑞々しい野菜たちは、まさに今が食べごろ。さっと茹でたり、焼いたりするだけで、素材の力強さと夏の香りを感じることができます。火照った体には、冷やした夏野菜の浅漬けがごちそうに。

魚では、アジやイサキ、岩ガキが旬。冷たい海で育った魚介類は、脂がのっていても後味がすっきりとし、暑さに疲れた体にやさしく寄り添ってくれます。
代表的な季節行事は「七夕(たなばた)」。
願いを託した短冊を笹に飾るこの風習は、中国から伝わった星祭りに日本古来の信仰が重なったもの。天の川を隔てた織姫と彦星が年に一度だけ出会う。そんな恋物語を想像しながら夜空を見上げたくなる日です。

「夏至」まとめ
小暑は、本格的な暑さを目前に控えた季節。
空はどこまでも高く、草木はより濃く深い緑をまとい、蝉の声が増えていきます。体にはこたえる暑さも、自然にとっては恵みのエネルギー。光と風と水が交わるこの時期、自然界はその命をめいっぱい伸ばしています。
梅雨明けを控え、空気も空も、ぐっと夏らしくなっていきます。
風の温度、空の匂い、野菜の香りたちそれぞれが、夏本番に向けた準備の合図を送っています。
次の節気はいよいよ大暑。陽の力が最も強くなる頃へと、季節はまっすぐに進んでいきます。
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