【二十四節気】
春分(しゅんぶん)

春分(しゅんぶん)とは、二十四節気の一つで、昼と夜の長さがほぼ同じになる頃です。例年3月20日頃に始まり、次の節気である清明の前日頃まで続きます。日に日に日差しが暖かさを増し、桜をはじめとする春の花々が咲き始めるなど、本格的な春の訪れを感じられる季節です。
春分とは
3月20日頃〜4月3日頃
寒さがやわらぎ、本格的な春へと移り変わっていく頃を表す「春分(しゅんぶん)」。二十四節気では、啓蟄の次にあたる4番目の節気です。
春分の日は、太陽が真東に近い方向から昇り、真西に近い方向へ沈みます。そのため、昼と夜の長さがほぼ同じになる時期として知られています。
春分を過ぎると昼の時間が少しずつ長くなり、夕方にも明るさが残るようになります。日差しにも力強さが感じられるようになり、外で過ごしやすい日が増えてきます。
自然の景色も大きく変わる季節です。桜の蕾がほころび始め、タンポポや菜の花などの草花もあちらこちらで見られるようになります。木々には新芽が増え、野山にはやわらかな緑が広がり始めます。
一方で、この時期は「花冷え」と呼ばれるような寒さが戻ることもあります。暖かな日と肌寒い日を繰り返しながら、季節はゆっくりと春本番へと進んでいきます。
日が長くなり、花が咲き、景色に鮮やかな色が増えていく春分。身近な場所でも、春の深まりを感じられる季節です。
春分の七十二候
3月20日〜24日頃「雀始巣(すずめはじめてすくう)」

スズメが巣を作り始める頃。
一年を通して身近に見られるスズメですが、春になると繁殖の季節を迎えます。軒下や屋根のすき間などに、枯れ草や細い枝などを運び込み、巣作りを始めます。
暖かくなった街や野原を飛び回り、せわしなく巣材を運ぶスズメの姿は、春ならではの光景の一つです。
鳥たちが新しい命を育む準備を始める「雀始巣」。植物だけでなく、生きものたちの暮らしにも春の訪れが感じられる季節です。
3月25日〜29日頃「桜始開(さくらはじめてひらく)」

桜の花が咲き始める頃。
冬のあいだ固く閉じていた桜の蕾がふくらみ、暖かな日差しとともに一輪、また一輪と花を開いていきます。
桜の開花は、昔から日本の春を象徴する出来事の一つとして親しまれてきました。地域によって開花の時期は異なりますが、桜の便りが聞こえ始めると、本格的な春の訪れを実感する人も多いのではないでしょうか。
淡い桜色が少しずつ景色を彩っていく「桜始開」。春分らしい華やかな七十二候です。
3月30日〜4月3日頃「雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)」

春の雷が鳴り始める頃。
冬のあいだ静かだった空にも変化が現れ、暖かな空気と冷たい空気がぶつかることで雷が発生することがあります。
春になって初めて鳴る雷は「春雷(しゅんらい)」とも呼ばれます。突然の雷鳴や雨に驚かされることもありますが、昔の人にとっては、雷もまた季節が動き始めたことを知らせる自然の便りでした。
スズメが巣を作り、桜が咲き、春の雷が響く。春分の七十二候には、春が日に日に深まっていく様子が描かれています。
春分の旬の食べ物・行事
春分の頃には、春の暖かさとともに、旬を迎える食材もますます増えてきます。
野菜では、菜の花や春キャベツ、新玉ねぎ、アスパラガスなどが旬を迎える頃です。春キャベツは葉がやわらかく、新玉ねぎはみずみずしく辛みが穏やかなため、生のままでも春らしい味わいを楽しむことができます。

山菜では、ふきのとうやタラの芽、うどなどが出回る季節です。独特の香りやほろ苦さには、芽吹き始めた春の力強さを感じることができます。
魚介では、鰆(さわら)やあさり、はまぐりなども春を代表する味覚です。「魚へんに春」と書く鰆は、その名前からも春を感じさせる魚として親しまれています。
また、春分と深く結びついているのが「春のお彼岸」です。
春分の日を中日として、その前後3日間を合わせた7日間が春のお彼岸。お墓参りをしたり、ご先祖さまを供養したりする習慣があります。
春のお彼岸の食べ物として親しまれているのが「ぼたもち」です。

もち米やうるち米を炊いてつぶし、あんこで包んだぼたもちは、春に咲く牡丹の花にちなんでその名が付いたといわれています。
季節の食材を味わい、ご先祖さまにも思いを寄せる春分。自然だけでなく、日本の暮らしのなかにも春を感じられる時期です。
春分に関する豆知識
春分の日はどうやって決まる?
春分の日は毎年3月20日頃ですが、年によって日にちが変わることがあります。
これは、春分が暦だけで決められているのではなく、地球と太陽の位置関係をもとに決められているためです。
地球は太陽のまわりを約365日かけて一周していますが、正確には365日ぴったりではありません。そのわずかなずれによって、春分となる日時も毎年少しずつ変化します。
日本では、国立天文台が天文学的に求めた春分日をもとに、翌年の「春分の日」が前年2月に正式に発表されます。
暦の上でも自然の動きと深く結びついている春分。太陽の動きを基準に季節を捉えた二十四節気らしい節目です。
春分にお墓参りをするのはなぜ?
春分の日を中心とする「お彼岸」には、お墓参りをする習慣があります。
仏教では、私たちが暮らす世界を「此岸(しがん)」、悟りの世界を「彼岸(ひがん)」と呼びます。
彼岸は西の方向にあると考えられてきました。春分の日は太陽が真西に近い方向へ沈むため、昔の人は彼岸に思いを寄せるのにふさわしい日と考えたといわれています。
日本ではこの考え方と、ご先祖さまを大切にする習慣が結びつき、お彼岸にお墓参りや供養をする文化が定着していきました。
春のお彼岸は、季節の移り変わりを感じながら、家族やご先祖さまとのつながりをあらためて見つめなおす機会でもあるのです。
春分におすすめの枝もの
春の花々が次々と咲き始める春分の頃には、部屋の中でも春らしい華やかさを感じられる枝ものがおすすめです。
まず飾りたいのが、春を代表する枝ものの一つ、桜です。
桜は、固い蕾から少しずつ淡い色がのぞき、やがてふんわりと花を咲かせます。日ごとに表情を変えていくため、開花までの時間も含めて楽しめる枝ものです。

一枝でも十分な存在感がありますが、大きな花器にたっぷりと生ければ、室内に小さな桜の景色をつくることができます。
もう一つおすすめしたいのが、コデマリです。
コデマリは、しなやかに伸びる枝に、小さな白い花を毬のようにまとまって咲かせる枝ものです。

細い枝が弧を描くように広がり、その先に小さな花が連なる姿は軽やかで、春のやわらかな空気を感じさせてくれます。
桜の淡いピンクと、コデマリの清楚な白。どちらも春の室内に自然な明るさを添えてくれる枝ものです。
昼の時間が長くなり、花々が次々と咲き始める春分。部屋にも季節の枝ものを迎えて、日々深まっていく春を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【枝もの図鑑】啓翁桜
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【枝もの図鑑】コデマリ
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春分のまとめ
春分は、二十四節気の一つで、昼と夜の長さがほぼ同じになる頃です。
スズメが巣作りを始め、桜が花を開き、やがて春の雷が響き始める。七十二候にも、本格的な春へと移り変わっていく自然の様子が描かれています。
春キャベツや新玉ねぎ、山菜、鰆など、食卓にも春の味覚が豊富に並ぶ季節です。また、春分の日を中心とする春のお彼岸には、お墓参りをしたり、ぼたもちを食べたりする習慣があります。
部屋には桜やコデマリなどの枝ものを飾り、蕾が開き、花が咲いていく様子を眺めるのもおすすめです。
日に日に長くなる昼の時間、咲き始める花々、やわらかな新緑。
身近な景色に広がっていく春を感じながら、新しい季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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