記事: 木瓜(ボケ)の特徴と飾り方|早春に梅のような赤い花を咲かせる枝もの
木瓜(ボケ)の特徴と飾り方|早春に梅のような赤い花を咲かせる枝もの

木瓜(ボケ)の基本情報
植物名 | 木瓜(ボケ) |
学名 | Chaenomeles speciosa |
英名 | Japanese quince, Japonica, Chinese flowering quince |
科目/属性 | バラ科/ボケ属 |
分類 | 落葉/低木 |
原産地 | 中国 |
流通時期 | 11~1月 |
持ちのよさ | ★★★☆☆ |
流通量 | ★★★☆☆ |
※★は5段階です
木瓜の特徴
バラ科ボケ属の落葉低木。早春から春にかけて梅のような花を咲かせ、その美しさから盆栽や庭木、鉢植えとしても人気があります。枝には鋭いトゲがあるので生垣としても利用されてきました。
瓜のような実の姿から「木瓜」→「もけ」→「ぼけ」と呼ばれるようになったと言われています。
原産地である中国から平安時代に日本に渡来し、観賞用に栽培された帰化植物です。品種改良によって、現在では200種類以上の品種が生まれているとか。
秋になると黄緑色の果実をつけますが、その果実は香りが良く、ジャムや果実酒に利用されることこともあるそう。
木瓜はその美しさと実用性から、古くから日本の庭や文化に深く根付いているのですね。

木瓜の花言葉
木瓜の花言葉には「先駆者」「早熟」「平凡」「熱情」などがあります。
「先駆者」「早熟」
「先駆者」「早熟」という花言葉は、中国での呼び名「放春花(ファンチェンファ)」に由来しています。放春花は「いち早く春を生み出す花」という意味があります。どの花よりも先に春の香りを放つ木瓜に、ぴったりの花言葉ですね。
また、木瓜の花は戦国武将の織田信長の家紋にあしらわれているとも言われています。人々を引っ張っていくリーダー的な存在の人にふさわしい花言葉といえるでしょう。
「平凡」
枝にトゲがある木瓜は、多くの家で生垣として利用されていること。また、成長しても2~3mとあまり大きくならないことから、小さな庭に向いていることが「平凡」という花言葉の由来と言われています。
「熱情」
真っ赤な鮮やかな色の花をつける木瓜の花姿から、「熱情」という花言葉がつけられました。先述したとおり、織田家の家紋のモチーフにもなっている木瓜。「熱情」は、熱い思いを燃やす戦国武将の気質を思わせる言葉でもありますね。
木瓜の飾り方

木瓜は「逆さ枝」と呼ばれ、上を向きつつ下を向く枝があったり、枝ぶりがとてもランダムで”暴れん坊”ともいわれるお花です。これらの枝をいかに上手にさばくかが、木瓜を飾る楽しみでもあります。
枝もの定期便では、フローリストが枝を剪定してからお届けしているので、少し難易度の高い木瓜の枝も活けやすくなっていますのでご安心を◎
また、枝もの専用のEDA VASEに飾れば、しっかり支えてくれるので木瓜の枝も暴れることなくスッキリと飾ることができます。動きのある枝を飾る楽しみを、ぜひ感じてみてくださいね。

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木瓜を飾ったインテリア例
中国原産の木瓜は、真っ赤で色鮮やかな存在感のあるお花。お花自体が華やかなので、落ち着いた色の陶器や、シンプルな形の花器が似合うでしょう。
また、透明なガラスベースを使うと、水の様子や枝のラインが見えてより涼やかな印象を与えてくれますよ。
花器に生ける時の注意点
花器に生ける際に気を付けるポイントは、全体のバランスを考えて花器に合わせて切ることです。長いままで飾ってしまうと枝が広がってしまったり、まとまりが悪くなってしまうことがあります。
茎の最下部から2~3センチのところを斜めに切る「水揚げ」も大切です。このひと手間を加えると、水に触れる面積が広くなり、枝ものが長持ちしますよ。
枝の切り込みを入れる際には、枝ものや花木用の剪定鋏を使ってみましょう◎

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木瓜のお手入れ方法
木瓜は、丈夫で庭木にもよく利用される枝ものですが、時に蕾やお花がポロっと落ちてしまうこともあるので気を付けましょう。そのほかにも、より長く木瓜の枝ものを楽しむためには、ちょっとした日々のお手入れが大切です◎
今回は、枝ものの基本的なお手入れ方法をご紹介します。
基本のお手入れ
1. お受け取り当日の切り戻し

届いた当日のうちに、切り戻しをしてから花器に生けましょう。
その際、根本に十字の切り込みを入れ、木皮を剥いてあげると水を吸いやすくなります。
枝ものをより長く楽しむために、生ける水に延命剤を利用してみては。花瓶の水が汚れるのを防いだり、花の色を鮮やかに保つ効果などがあり、枝ものがより長生きすることが期待できます。
■枝ものに栄養を与える、鮮度保持剤
花枝に必要な栄養を与え、花器のお水を清潔に保つために、鮮度保持剤を取り入れてみませんか?切り口の樹液を溶かして水上がりをよくする効果があり、枝ものをより長く楽しむことができます。
枝もの専用鮮度保持剤はこちらから。
■水をより吸収させるための、フローリストナイフ
水に浸かる部分の木皮を剥くことで、植物がより水を吸いやすくなり、枝ものが長持ちする効果が期待できます。
木皮を剥くには、専用の切れ味の良いナイフを使うのがオススメ。VICTORINOX(ビクトリノックス)社製のフローリストナイフは、こちらからチェックしてみてください。
世界中のプロが愛用する確かな品質です。
2. 枝ものにとって心地よい場所に飾る
枝ものは、エアコンの風が直接当たる場所は避けましょう。風通しが良く涼しい場所に置くのが適しています。
寒さにも強いので、玄関前などの戸外に置いても問題ありません。直射日光を避けて、枝ものの心地いい場所に飾ってみましょう。
リビングはもちろん、玄関やキッチン等どこに置いても空間の印象を変える存在感があります。寝室や洗面所に飾るのもおすすめです◎
3. こまめに水替えを行う

水は濁ってしまう前にこまめに交換しましょう。
上記でご紹介したEDA VASEなら、ベースの部分がガラスよりも軽くて丈夫なポリカーボネート製なので、水替えもお手軽です。
枝ものの元気がない時は…
短く切って、小さな花器に生けて楽しもう

枝ものは比較的長持ちするものが多いですが、日が経つと、どうしても少しずつ水が上がりにくくなっていきます。少し枝ものの元気がなくなってきたと感じる時は、思い切って短く切り分けて飾ってみては。
短くなることで水を吸収しやすくなりますし、小さな花器に飾ると、また違った楽しみ方ができますよ♪
木瓜の豆知識

織田家の家紋にあしらわれた木瓜
「織田木瓜紋(おだもっこうもん)」とは、織田家の家紋として、最も知られているものです。
5個の花柱を5枚の花びらが囲うデザインで、バランスのよい1つの大きな花の形を表しています。
織田木瓜のもとになる「木瓜紋」(もっこうもん)は、日本の家紋の一つで、主に木瓜の果実や断面を抽象的に表現したデザインが有名です。その起源は奈良時代に唐(中国)から伝わったとされ、歴史的に深い意味を持つ家紋です。

魔除けとしての木瓜の花
昔から、花びらが5弁の花は五芒星に見立てられ、邪気払いや魔除けの効果があるとされています。
木瓜の花はその代表例であり、5弁の花びらを持つ魔除けの力を持つ花として用いられてきました。
その花びらの形状だけでなく、葉のギザギザや枝のトゲにも悪霊を払う力があるとされ、「悪霊を寄せ付けない植物」として庭や家の周囲によく植えられてきたそうです。
美しい見た目だけでなく、家族や住まいを守るための魔除けとしても、親しまれてきた歴史があるのですね。
木瓜のまとめ

木瓜は、バラ科ボケ属の落葉低木。早春から春にかけて梅のような花を咲かせ、その美しさから盆栽や庭木、鉢植えとしても愛されてきました。枝には鋭いトゲがあるので生垣としても利用されたりもします。
花言葉は、「先駆者」「早熟」「平凡」「熱情」など。
その花びらの形から魔除けとして利用されたりもしてきたそう。木瓜はその美しさと実用性から、古くから日本の庭や文化に深く根付いているのですね。

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