猫柳(ネコヤナギ)の特徴と飾り方|猫のしっぽのような花穂をもつ枝もの

猫柳(ネコヤナギ)の基本情報
植物名 | 猫柳(ネコヤナギ) |
学名 | Salix gracilistyla |
英名 | Pussy Willow |
別名 | カワヤナギ、エノコロヤナギ |
科目/属性 | ヤナギ科/ヤナギ属 |
分類 | 落葉広葉/低木 |
原産地 | 日本 |
流通時期 | 1~2月 |
流通量 | ★★☆☆☆ |
持ちのよさ | ★★★★★ |
※★は5段階です
ネコヤナギの特徴
ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木。3〜4月の早春に、ふわふわとした銀白色の毛に覆われた花穂をつける植物です。風に揺れる花穂が、猫のしっぽのように見えることから「ネコヤナギ」と名付けられました。
国内の川辺などに広く自生しており、庭などにもよく植えられているネコヤナギ。他のヤナギ類の開花よりも一足早く花を咲かせることから、春の訪れを告げる植物としても愛されています。
中国などでは「豊かさの象徴」として旧正月を飾る定番花材でもあります。まっすぐ成長した枝、紅白の色合い、銀貨を思わせる花穂などが、新年のお祝いに相応しいとされているのだそうです。

ネコヤナギの花言葉
ネコヤナギの花言葉は「自由」「率直」「思いのまま」「努力が報われる」など、ポジティブなワードが並びます。
「自由」「率直」「思いのまま」
その名前にもある通り、風に揺れるネコヤナギの花穂が、猫の自由で気ままな姿を連想させることからつけられたそうです。
「努力が報われる」
ネコヤナギが上や横に向かって元気に枝を広げる姿や、厳しい冬を超えて花を咲かせる姿から生まれたと考えられます。
明るく前向きな花言葉は、早春に花を咲かせ春の訪れを知らせてくれるネコヤナギのイメージにぴったりですね。
ネコヤナギは、1月23日、2月5日の誕生花でもありますよ。
ネコヤナギの飾り方

ネコヤナギはふわふわの銀白色をした花穂をつけて、上や横に枝を伸ばしていきます。
個体によりますが、大抵の場合は、シダレヤナギのように下に垂れることはありませんので、特に背の高い花器を選ばなくても大丈夫◎

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花器に生ける時の注意点
飾り方で注意するポイントは、まず枝が長すぎる場合は花器に合わせて切ることです。長いままで飾ってしまうとバランスが悪くなったり、枝が広がりすぎてまとまりにくいことがあります。
そのうえで、枝についている花穂が水につかないよう、下部のものは取り除いてから生けることをおすすめします。せっかくのふわふわの花穂が濡れてしまうと、花器の中で雑菌が増える原因にもつながります。
手でむしり取ると枝の表皮を剥がしてしまい、傷んでしまうことがあるので、必ず清潔なハサミやナイフを使って取り除いてくださいね。

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ネコヤナギのお手入れ方法
ネコヤナギは比較的丈夫で育てやすい植物ですが、もちろん日々のお手入れは欠かせません。今回は、枝ものの基本的なお手入れ方法をご紹介します。
基本のお手入れ
1. お受け取り当日の切り戻し

お受け取りいただいた当日のうちに、切り戻しをしてから花器に生けましょう。
その際、根本に十字の切り込みを入れ、木皮を剥いてあげると水を吸いやすくなります。
枝ものは輸送中に疲れていることもあるので、延命剤入りの水に生けるのがおすすめです。
■枝ものを長く愛でるための、鮮度保持剤
花枝に必要な栄養を与え、花器のお水を清潔に保つために、鮮度保持剤を取り入れてみては?切り口の樹液を溶かして水上がりをよくする効果があり、枝ものをより長く楽しめます。
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■水上がりを良くするフローリストナイフ
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2. 枝ものにとって心地よい場所に飾る
枝ものは直射日光と空調の風があたらない、風通しのよい涼しい場所を好みます。
日当たりは気にしなくてよいので、寝室や洗面スペースに飾るのもおすすめです。
3. こまめな水替え

水は濁ってしまう前にこまめに交換しましょう。その際に切り戻しもするとまた水を吸いやすくなります。
ぬめりがある部分があれば、手で優しく擦り落としてあげるとよいです。
枝ものの元気がない時は…
短く切り、小分けにして楽しむ

日が経つことで、少しずつ水が上がりにくくなっていきます。そんなときは、思い切って短く切り分けてしまうのも一案です。
短くなることで水が上がりやすくなりますし、小ぶりな枝ものの様子もまた新鮮なものです。
ネコヤナギの豆知識

春の季語として、永く愛されてきたネコヤナギ
全国各地の水辺で見ることができるネコヤナギ。春まだ浅い時期の柔らかな陽射しに、きらきらと輝く姿は古来、歌人からも春の季語として広く愛され、多くの俳句の中で詠われてきました。
近代日本文学を代表する詩人、北原白秋もそのひとりです。
霧雨の こまかにかかる 猫柳 つくづく見れば春たけにけり ― 北原白秋
<現代訳>霧雨がしっとりと降りかかる猫柳をよくよく見つめると、そのやわらかな芽はすっかり伸び立っている。ああ、春ももう深くなったなぁ。
猫柳 ものをおもへば猫の毛を なづるここちによき風も吹く ― 北原白秋
<現代訳>猫柳を触りながら物思いにふけっていると、猫の毛を撫でているような心地がして、良いことがありそうだなぁ。
猫柳 薄紫に光るなり 雪つもる朝の河岸のけしきに ― 北原白秋
<現代訳>まだ雪が積もっている寒い朝の河岸に、猫柳が薄紫色に光っているなぁ。
まだ雪の残る時期に、ふわふわとした花穂が青空によく映えている。そんな様子を見つめながら、ささやかな春の訪れを慶ぶ白秋の姿が目に浮かぶようです。
新春を彩る花としても欠かせないネコヤナギ。これからも、春を告げる花として愛され、詠い続けられることでしょう。
ネコヤナギの育て方
ネコヤナギの開花時期は3~4月の春を迎える頃で、樹高は1~3m程度。原生が水辺であることから日当たりが良い湿り気のある場所を好みます。大変生命力が強い木で、暑さや寒さにも耐えられるため、北海道から九州まで日本全国に植栽されています。
湿地に生息するので乾燥には弱いと思われがちですが、実はそんなことはありません。様々な気候の変化に強く、育てやすいので初心者にも人気の庭木として知られています。
愛らしい独特な花姿と花持ちの良さから、アレンジメントや生け花の花材としても人気です。
ネコヤナギの花穂
ネコヤナギの花は、たくさんの小さな花が房状に集まったもので、花穂(かすい)と呼ばれます。ヤナギ科は雌雄異株なので、雄株は雄花、雌株は雌花をそれぞれ咲かせます。花びらはなく、雄花には雄しべ、雌花には雌しべがあり、どちらも綿毛に包まれています。
雄しべの先端が赤くなり、花粉が黄色いので、雄花の方がややカラフルに感じられます。そのため、生け花の花材としても愛好されています。
ネコヤナギのまとめ
ふわふわとした猫のしっぽのような花穂が特徴的な、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木「ネコヤナギ」。早春に花をつけ、春の訪れを告げる植物としても愛されています。
また、生命力が強いので初心者にも育てやすい枝もので、庭木としても有名です。
その可愛らしい花姿は、他の枝ものとは全く異なる印象をお部屋に与えてくれそう。ぜひシンプルな花器に飾って、楽しんでみてください♪

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