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【枝もの定期便 ウラ話】
雪国のお正月を華やかに飾る知恵。花餅を作る飛騨高山へ訪問。


新年の慶びを愛らしく演出する花餅 なみだ。

ドライの枝に紅白の小さなおもちが飾り付けられた、SiKiTOの人気商品のひとつです。

ひとつずつ手作業で作られるという花餅づくりの現場に伺いました。

毎年完売御礼の花餅なみだ。
制作真っ只中の12月、飛騨高山に伺いました。

花餅のなかでもとびきり愛らしい姿に一目惚れしSiKiTOで毎年販売しているお正月飾り、花餅なみだ。

年末に向けて制作に取り組むなみだの産地、飛騨高山にお邪魔しました。

花餅のはじまりは江戸時代頃、冬に花が咲かない厳冬地での正月飾りとして生まれたと言われています。縁起のよい紅白色のおもちは、梅のように華やかです。

全国的には「餅花(もちばな)」と呼ぶことが多いそうですが、飛騨地域では「花餅(はなもち)」と呼びます。

花餅文化は飛騨高山地方だけのものではなく、京都・香川・秋田などでも見られるそう。雪深いことや重要な神社があることが共通点なのだろうと教えていただきました。

飛騨高山地域の主力農産物はトマトとほうれん草。晩秋頃に野菜の出荷を終えると花餅づくりが始まります。

今も農家さんが家庭で作ったものが公設市場や朝市に並び、地元の方が買い求める様子は年末の風物詩となっています。

今回取材に伺ったのは、飛騨の花もち組合さん。

組合として都市部への販売に力を入れており、家庭向けの数十cm程度のものからホテルエントランスやフラワーパークに飾られる3m規模のものまで、ニーズに合わせたサイズ展開も豊富です。

なみだの作業場は築200年以上という大きな古民家!

広い玄関に入ると、土台となるたくさんの枝がスタンバイしていました。この枝は、地域の庭や山で剪定したモミジなどが使われています。

取り付けるおもちは作業場でついたもの。昔は杵と臼でしたが、現在はもちつき機を使います。

おもちは炊飯器で保温しつつ、爪先ほどの大きさにちぎりながら一粒ずつこね付けていきます。大きさによりますが、1本仕上げるのに30〜45分ほどかかるのだとか。

保存がきかないので、当日の作業で使いきれなかったおもちは作業場のみんなで焼いて食べるそうです。

できあがったものは数日間じっくり乾燥させてから出荷します。

 

続いて、今年の稼働を終えたトマト選果場の一角にある作業場もご案内いただきました。

ここで作られているのは、しだれ姿が美しいヤナギを使った花餅。花もち組合さんのメイン商品です。

飛騨のヤナギは寒さで節が固くなってしまうため、柔らかいものを茨城から取り寄せています。届いたばかりのヤナギはきれいな緑色でした。

制作期間となる1ヶ月弱の間に、ヤナギだけでも数千本の花餅がここで作られます。伺った12月のはじめには約500本の花餅が完成し出荷を待っていました。約20日後には、シートの上がすべて花餅で埋まります。

届いたヤナギはまず規定の長さに整え、余計な枝をカット。準備が整ったら、選果場内の広い休憩室に移動します。

この日おもちをつけていたのは15名ほどのおばあちゃんたち。なかには花餅づくり歴30年以上というベテランも。世間話をしながら楽しげに作業を進めていました。2m規格の花餅が並ぶ様子は迫力があります。

ヤナギに付けるおもちは、なみだと違って棒状で少し大きめ。

商品として一定の仕上がりになるようおもちの間隔が決められており、慣れた方は手で測りながらくるくると巻きつけていきます。

効率的に作業できるよう設置された脚立の使い方には脱帽です…!

作業場内には、卓上に飾れるミニ株タイプのものも。

花餅は、正月だけでなく桃の節句でも飾られます。かつてはひな祭りが終わると外したおもちを紅白あられにして食したそうです。

組合では近隣小学校で花餅づくりの授業を行うなど、大切な地域文化として未来につなげていくための活動にも取り組んでいます。

左)JAひだ 木下さま、右)飛騨の花もち組合 中野さま

 

愛らしい花餅をきっかけに、その背景にある飛騨地域の歴史や文化に関心を寄せていただけたら嬉しく思います。

 

《取材こぼれ話》

「小京都」とも呼ばれ、古い街並みが残る高山駅付近。

世界遺産・白川郷には行けませんでしたが、飛驒のかつての暮らしを再現した「飛騨の里」を見学しました。豪農一家が暮らしたという古民家が並び、当時の婚礼儀式や養蚕業などが紹介されています。

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