【二十四節気】
小寒(しょうかん)

小寒(しょうかん)とは、二十四節気の23番目にあたり、本格的な寒さが始まる頃です。例年1月5日頃に始まり、次の節気である大寒の前日頃まで続きます。小寒の初日は「寒の入り」と呼ばれ、ここから立春の前日までが「寒の内」。一年のなかでも特に寒さの厳しい季節を迎えます。
小寒とは
1月5日頃〜1月19日頃
寒さがいっそう厳しくなり始める頃を表す「小寒(しょうかん)」。冷たい風が吹き、朝には霜が降りるなど、冬らしい寒さを身近に感じる季節です。
小寒の初日は「寒の入り(かんのいり)」と呼ばれます。小寒から大寒を経て、立春の前日まで続く約30日間が「寒の内(かんのうち)」です。
「小寒」という名前から、まだ寒さがそれほど厳しくない時期のように感じるかもしれません。しかし実際には、この頃から各地で冷え込みが増し、雪や氷に覆われる地域も多くなります。
一方で、冬至を過ぎた太陽は、少しずつ長く地上を照らすようになります。寒さのなかにも、夕方の明るさや日差しの変化から、わずかな季節の移ろいを感じられる頃です。
一年でもっとも寒い季節へ向かいながら、春への歩みも静かに始まっている。小寒は、冬の深まりと新しい季節への気配が重なる節目です。
小寒の七十二候
1月5日〜9日頃「芹乃栄(せりすなわちさかう)」

冷たい水辺で、芹が盛んに育ち始める頃。
芹は、春の七草の一つとして親しまれている植物です。香りのよいみずみずしい葉は、冬の食卓に鮮やかな緑を添えてくれます。
草木の多くが静かに休んでいるように見える季節でも、水辺では芹が根を張り、少しずつ葉を伸ばしています。
厳しい寒さのなかで育つ小さな緑は、遠くない春の訪れをそっと知らせてくれるようです。
1月10日〜14日頃「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」

地中で凍っていた水が、少しずつ動き始める頃。
地上では厳しい寒さが続いていますが、土のなかでは春へ向けた小さな変化が始まっていると考えられてきました。
「あたたかをふくむ」という言葉には、水が目に見えて温かくなるというよりも、凍りついていた水がわずかにゆるみ、動き始める様子が表されています。
静かな冬景色の下で流れ始める水は、自然が少しずつ次の季節へ向かっていることを感じさせます。
1月15日〜19日頃「雉始雊(きじはじめてなく)」

雄のキジが、雌を求めて鳴き始める頃。
色鮮やかな羽を持つ雄のキジは、繁殖期を迎えると、甲高い声で自分の存在を知らせます。
草木が枯れ、音の少なくなった冬の野原では、その鳴き声が澄んだ空気のなかに遠くまで響きます。
寒さはまだ続きますが、鳥たちの営みには、春へ向かう自然の動きが少しずつ表れ始めています。
小寒の旬の食べ物・行事
小寒の頃には、お正月のごちそうで疲れた体をいたわり、新しい一年の健康を願う食べ物や行事が続きます。
1月7日の「人日(じんじつ)の節句」に食べるのが、七草粥です。春の七草であるセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロを入れたお粥を食べ、一年の無病息災を願います。

やさしい味わいの七草粥は、年末年始にごちそうを楽しんだあとの胃を休める食事としても親しまれています。
1月11日頃には「鏡開き」が行われます。お正月にお供えした鏡餅を下ろし、雑煮やお汁粉、ぜんざいなどにしていただく行事です。

鏡餅には年神様の力が宿ると考えられてきました。そのお餅をいただくことで、新しい一年を元気に過ごせるよう願います。
1月15日頃の「小正月」には、小豆粥を食べたり、お正月飾りを焚き上げるどんど焼きが行われたりします。地域によって日程や呼び方は異なりますが、家族の健康や豊作を願う行事として受け継がれてきました。
旬の野菜には、白菜、大根、長ねぎ、かぶ、ほうれん草などがあります。寒さに当たった冬野菜は甘みを感じやすく、鍋料理や煮物、温かな汁物によく合います。
魚では、ぶりやたらなどが冬の味覚として親しまれています。脂ののったぶりは照り焼きやぶり大根に、淡白なたらは鍋料理や汁物にすると、寒い日の食卓を温かく満たしてくれます。
小寒に関する豆知識
「寒の入り」「寒の内」とは?
小寒の初日(例年1月5日頃)は、「寒の入り」と呼ばれます。
小寒から大寒を経て、立春(2月4日頃)の前日まで続く期間が「寒の内」です。「寒中」とも呼ばれ、一年のなかでも特に寒さの厳しい時期とされています。
この時期に行われる寒稽古や寒中水泳、寒仕込みなどには、厳しい寒さを生かした知恵や、心身を鍛えるという意味が込められています。
味噌や醤油、日本酒などを寒い時期に仕込む「寒仕込み」は、気温が低く雑菌が繁殖しにくい冬の環境を生かしたものです。
寒さをただ耐えるのではなく、その季節ならではの力として暮らしに取り入れる。寒の内には、自然とともに生きてきた昔の人々の知恵が息づいています。
寒中見舞いはいつから出す?
寒中見舞いは、寒さの厳しい季節に、相手の健康を気遣って送る挨拶状のことです。
一般的には、松の内が明けてから立春の前日頃までに送ります。松の内の期間は地域によって異なり、関東では1月7日頃、関西では1月15日頃までとされています。小寒を迎えると「寒の内」に入るため、寒中見舞いを送る季節の目安となります。
年賀状を出す時期が過ぎてしまった場合や、喪中のため年賀状を控えた相手への挨拶として送ることもあります。
一年でもっとも寒い季節に、相手の体を気遣い、近況を伝える寒中見舞い。季節の便りには、離れて暮らす人を思うやさしい気持ちが込められています。
小寒におすすめの枝もの
小寒を迎える頃には、冬の静けさのなかに、少しずつ春の気配を感じさせる枝ものが似合います。
なかでもロウバイは、蝋細工のような淡い黄色の花と、ほのかに甘い香りが魅力の枝ものです。
葉の少ない細い枝に、小さな花が点々と咲く姿は軽やかで、色の少ない冬の室内にやさしい明るさを添えてくれます。

ロウバイの花は、厳しい寒さのなかで咲き始めます。その姿と香りには、春を待つ季節ならではの、静かで凛とした美しさがあります。
もう一つおすすめしたいのが、アカメヤナギです。赤みを帯びた芽を覆う殻が開くと、中から白くやわらかな花穂が姿を見せます。

すっと伸びる枝の線と、ふっくらとした芽の表情が美しく、一本でも存在感があります。白磁や透明なガラスの花器に飾ると、枝の輪郭や芽の色が引き立ちます。
お正月に飾った松や南天が残っている場合は、ロウバイやアカメヤナギを少し加えるのもおすすめです。新年らしい凛とした雰囲気を残しながら、春へ向かうやわらかな変化を楽しめます。
外はまだ厳しい寒さのなかにあっても、枝先では花や芽が静かに咲き始めています。季節の枝ものを部屋に飾り、近づく春の気配を見つけてみてはいかがでしょうか。
【枝もの図鑑】ロウバイ
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小寒のまとめ
小寒は、本格的な寒さが始まり、「寒の内」へと入る頃です。
冷たい風が吹き、朝晩の冷え込みがいっそう厳しくなる一方で、冬至を過ぎたあとは、少しずつ一日の昼の長さを取り戻しています。
水辺では芹が育ち、地中では水が動き始め、冬の野原にはキジの鳴き声が響きます。静かに見える自然のなかでも、春へ向かう小さな変化が続いています。
七草粥で体をいたわったり、鏡開きのお餅を味わったり、ロウバイやアカメヤナギを部屋に飾ったり。小寒の頃には、最も厳しい季節の中で、新しい一年を健やかに過ごすための行事や暮らしの知恵が受け継がれています。
寒い日には温かな食事を囲み、季節の枝ものを眺めながら、ゆっくりと過ごすのもよいでしょう。
冬の深まりのなかに隠れている、小さな春の兆しを探しながら、穏やかな時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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