記事: アセビ(馬酔木)の特徴と飾り方|ツヤのある濃い緑の葉が夏に人気の枝もの
アセビ(馬酔木)の特徴と飾り方|ツヤのある濃い緑の葉が夏に人気の枝もの

アセビ(馬酔木)の基本情報
植物名 | アセビ(馬酔木) |
学名 | Pieris japonica subsp. japonica |
英名 | Japanese andromeda |
別名 | アシビ |
科目/属性 | ツツジ科/アセビ属 |
分類 | 常緑広葉樹/低木 |
原産地 | 日本 |
流通時期 | 7~3月 |
流通量 | ★★★★★ |
持ちのよさ | ★★★★★ |
※★は5段階です
アセビの特徴
ツツジ科アセビ属の常緑低木。アセビは、万葉集にも登場し、日本人に古くから親しまれてきました。花期は3月~5月で、可愛らしい小さな白い花を多数付けます。
枝もの定期便では、夏の時期に濃い緑色の葉が美しいアセビをお届けしています。涼やかな美しさを持ちながらも、暑さに強く、葉のツヤが夏の日差しと相性抜群◎
枝もののなかでも非常に日持ちがよく、環境に適応すれば3か月以上持つこともあります。
葉や実にはグラヤノトキシンやクエルセチンなどの有毒成分が含まれ、アセビを食した馬が酔ったようにふらつくことから「馬酔木」と書きます。観賞することや、触る程度であれば害はありません。

アセビの花言葉
アセビの花言葉には「犠牲」「清純な心」「献身」「あなたと二人で旅をしましょう」などがあります。
「犠牲」「清純な心」
アセビは英語で「Japanese andromeda」=日本のアンドロメダ、と呼ばれます。その理由は、海外にすでにあった「andromeda(和名はヒメシャクナゲ)」という名前の植物がアセビの姿に非常に似ていたことからだそう。
そんな理由から、「犠牲」や「清純な心」という花言葉は、ギリシャ神話に登場するエチオピアの王女・アンドロメダの物語に由来しています。
この物語より、アンドロメダの自らを「犠牲」にする「清純な心」が、花言葉となったのですね。
「献身」
「献身」とは、身をささげること。先述の伝説より、国のために生贄になろうとしたアンドロメダの姿が由来とも、危険を顧みずにアンドロメダ姫を助け出したペルセウスが由来とも考えられてます。
「あなたと二人で旅をしましょう」
この花言葉は、寒い冬が明けて春の陽気を感じられるようになる頃に花を咲かせるアセビの様子が、大切な人とどこか遠くへ出かけたくなる、旅心をかき立てることが由来とされています。
アセビの花言葉は、ギリシャ神話での王女と勇者の物語であったり、大切な人との旅心であったり、なんだかロマンチックなエピソードが由来となっていることが多いようですね♪
アセビの飾り方

アセビは、美しいツヤのある濃い緑の葉をたくさんつけ、夏のインテリアとしてとても人気のある枝ものです。とにかく使い勝手がよく、そのまま枝を長く使って花器に入れても、清涼感があり、パッとお部屋の雰囲気をおしゃれに変えてくれます。
少しカットして、洗面所などの水回りや、卓上に置いても爽やかな印象に◎

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アセビを飾ったインテリア例
高さのある大きなアセビの枝は、インパクト抜群◎リビングのフロアに花器を置いて飾るだけで、お部屋全体が洗練された雰囲気に変わります。
透明なガラスのベースを使用すれば、水の動きや枝の美しいラインを引き立て、涼しさを感じさせてくれるでしょう。
また、キッチンなどの水回りやダイニングテーブルに飾ることで、爽やかで涼しげな空間を演出することができますよ。
花器に生ける時の注意点
花器に生ける際に気を付けるポイントは、全体のバランスを考えて花器に合わせて切ることです。長いままで飾ってしまうと枝が広がりすぎて、まとまりにくいことがあります。
茎の最下部から2~3センチのところを斜めに切って、水の吸収を促す「水揚げ」をしてから飾ってみましょう。
枝の切り込みを入れる際には、枝ものや花木用の剪定鋏を利用するのがおすすめです◎

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アセビのお手入れ方法
アセビはとても丈夫で、長持ちする植物として人気がありますが、もちろん日々のお手入れは欠かせません。今回は、枝ものの基本的なお手入れ方法をご紹介します。
基本のお手入れ
1. お受け取り当日の切り戻し

お受け取りいただいた当日のうちに、少し茎を切って切り戻しをしてから花器に生けましょう。
その際、根本に十字の切り込みを入れ、ナイフで木皮を剥くと水を吸いやすくなります。
枝ものは輸送中に疲れていることもあるので、延命剤入りの鮮度保持剤を利用するのもおすすめです。
■枝ものを長持ちさせる、鮮度保持剤
花枝に必要な栄養を与え、花器のお水を清潔に保つために、鮮度保持剤を取り入れてみてはいかがですか?
切り口の樹液を溶かして水上がりをよくする効果があり、枝ものをより長く楽しめます。
枝もの専用鮮度保持剤はこちらから。
■水上がりを良くするフローリストナイフ
水に浸かる部分の木皮を剥くことで、水上がりをよくしてくれるVICTORINOX(ビクトリノックス)社製のフローリストナイフはこちらから。
世界中のプロが愛用する確かな品質です。
2. 枝ものにとって心地よい場所に飾る
枝ものは直射日光と空調の風があたらない、風通しのよい涼しい場所を好みます。
日当たりは気にしなくてよいので、寝室や洗面スペースに飾るのもおすすめです。
3. こまめな水替え

水は清潔に保つのが大切。濁ってしまう前にこまめに交換しましょう。その際に切り戻しもするとまた水を吸いやすくなりますよ。
茎などにぬめりがある部分があれば、手で優しく擦り落としてあげるとよいでしょう。
枝ものの元気がない時は…
短く切り、小分けにして飾ってみよう

日が経つことで、少しずつ水が上がりにくくなっていきます。そんなときは、思い切って短く切り分けて飾ってみましょう。
短くなることで水が上がりやすくなりますし、小ぶりな枝ものの様子もまた新鮮で美しいですよ。
アセビの豆知識

万葉集でも詠まれ、永く愛されてきたアセビ
本州や四国、九州などの山地に自生する他、庭木や盆栽としても人気のあるアセビ。歴史はとても古く、万葉集にも登場するほど昔から親しまれています。
水の辺の 馬酔木の若木 小さけれど ほのかに群れて 花つけむとす ― 北原白秋
<現代訳>水辺に馬酔木の若木がある。まだ小さいけれども春の到来を告げるように、ほのかに仲良く群れて今まさに花を咲かせようとしている。
我が背子(せこ)に 我が恋ふらくは 奥山の 馬酔木の花の 今盛りなり ― 作者不明
<現代訳>貴方のことを密かに恋焦がれる私の心は、奥山に咲く馬酔木の花のように真っ盛りです。
万葉集に登場するアセビは、春の季節に詠まれていることが多いようです。その鈴なりの白い花は春の訪れを感じさせ、心温まる瞬間であったり、恋心を表現する語として詠まれたようです。
万葉集は、庶民から天皇まで、さまざまな身分の人の和歌を集めているのが特徴。一部の階級の人からだけではなく、人々の暮らしに根付き愛されてきたことがよくわかりますね。
枝ものとしてのアセビ
アセビは常緑広葉樹の低木で、樹高は1.5~5mほどにもなります。日本全国に自生していますが、葉っぱが小さく観賞用として人気があるアセビは奈良・和歌山・三重あたりの森林に群生していると言われ、花き業界ではその地域で山採りされたものが多く流通されています。
葉が柔らかく赤みを帯びた新芽が、緑色になって固くなる7月頃に出荷が始まります。その後の流通期間は長く、翌年3月頃まで出回ります。
葉や実にはグラヤノトキシンやクエルセチンなどの有毒成分が含まれ、アセビを食した馬が酔ったようにふらつくことから「馬酔木」と書きます。手で触れる分には心配ありませんが、小さなお子さんやペットが誤食しないよう注意が必要です。
枝ものの中でも指折りの日持ちのよさで、SiKiTOの枝もの定期便でも夏の定番です◎
アセビのまとめ

アセビは、ツツジ科アセビ属の常緑低木で、ツヤのある濃い緑の葉が夏に人気の枝もの。万葉集にも登場し、日本人に古くから親しまれてきました。
葉や実には有毒成分が含まれ、アセビを食した馬が酔ったようにふらつくことから「馬酔木」と書きます。
花言葉は「犠牲」「清純な心」「献身」「あなたと二人で旅をしましょう」など。
生命力が強いので初心者にも育てやすい枝もので、庭木としても有名です。シンプルな花器に飾って、暑い夏を爽やかに乗り切りましょう◎

【SiKiTOのよみもの】枝もの図鑑
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