外出のハードルが高い子ども達に「おうちでお花見」体験をプレゼント
わずか600gという低体重で生まれた、かいりくん(4歳)。現代の高度医療で一命はとりとめたものの、脳に障害が残り、現在は日常的に人工呼吸器による呼吸管理が必要です。
なかなか自由に外出することが難しく、常にかいりくんを見守るご家族と共に、1日のほとんどをお家で過ごすことが多いそう。
かいりくんのような、医療的ケアが必要で外出のハードルが高い子ども達に「おうちでお花見」を楽しんでもらえるよう、啓翁桜(ケイオウザクラ)約100本をプレゼントしました。
枝もので季節を感じる体験をプレゼント
窓からの風に葉が揺れ、室内に木漏れ日が生まれる。春夏には愛らしい花や生命力溢れる新緑が芽吹き、秋冬には紅葉や実ものがなる。
四季折々の表情豊かな枝ものは、私たちの生活に潤いを与えてくれる存在です。
そんな枝ものをご自宅へお届けする「枝もの定期便」は、おかげさまで1周年を迎えることができました。
この節目の機会に私たちは、枝ものを飾ることで「自宅で四季を感じる」体験を、医療的な事情により外出のハードルが高い子ども達へプレゼントしたいと、ある企画をスタートしました。
1周年を迎えるのは春。桜が美しい季節です。
なかなか外でお花見ができない子ども達へ「おうちでお花見」体験をプレゼントする、その名も「桜配りプロジェクト」。
ご協力いただいたのは、親子の笑顔をさまたげるあらゆる社会課題の解決に取り組む「認定NPO法⼈フローレンス」(https://florence.or.jp/)さん。
障害児家庭支援事業にも取り組んでおり、看護師が自宅に訪問し、人工呼吸器による呼吸管理などの医療的ケアに加えて、子どもの発達に合わせた遊びや学びを支援する「医療的ケアシッター ナンシー」(https://nancy.florence.or.jp/)などを運営されています。
企画趣旨をお伝えしたところ、「なかなか外に自由に出かけることが難しくても、おうちでお花見をすることができたら、お子さんにとってもご家族にとっても貴重な経験となる。素敵な提案をいただき、私どももとても嬉しい」と、全面的にご協力いただけることとなりました。
約100本の桜を直接お届け
お届け当日。「枝もの定期便」でお届けするものと同様に、市場で仕入れた高品質の啓翁桜(ケイオウザクラ)を丁寧に水揚げ処理し、車に積み込みます。
合計100本にもなるたくさんの桜は、一度に車へ積むことができず、2回に分けることに。
まずは、フローレンスさんが運営する、障害児専門の「障害児保育園 ヘレン」都内5園と、障害の有無に関わらず全ての子どもがわくわくするような遊びの場「インクルーシブひろば ベル」の合計6施設へ桜をお届け。
桜を持って施設に入るや否や、桜を見つけてかけよって来てくれる子も。
目を輝かせて喜んでくれる子ども達の笑顔に、お届けする私たちの方が元気をもらいました。
残る30家庭へのお届けは、医療的ケアシッター ナンシーの看護師さんたちのお力もお借りすることに。フローレンスさんの事務所で、枝ものの包み方などをレクチャーさせていただきました。
ちなみに、水揚げ・運転・お届け・レクチャーは、当社代表の佐藤が自ら担当しました。
最後に、ナンシー利用者の一人である、かいりくん(4歳)のご自宅へ桜をお届け。
それまで少し眠たそうだった目を大きく開いて、キラキラとした眼差しでじっと桜を見つめてくれました。
お母さんによれば「こんなに何かをじっと見つめることは珍しい。よほど興味を持っているんだと思う」とのこと。
今にも花を咲かせようと膨らむ蕾に、少し咲き始めた薄ピンク色の花びら。そして、それらを支える活き活きとした枝ぶり。
自然の力いっぱいの枝ものは、ただそこに在るだけで存在感があり、かいりくんの心を惹きつけます。
「家にいる時も、気の休まる時間はほとんどない」と言うお母さん。
人工呼吸器が正常に作動しているかの確認はもちろん、かいりくんは首がすわっていないため、バランスを崩さないよう常に目を配っている必要があるそう。
外出する時は、特注のバギーに人工呼吸器や酸素、電源バッテリーを積んで移動する必要があるため、どこかへお出かけして季節を感じることは簡単ではありません。
そのため、「枝ものを飾ることで、お家で季節の移ろいを感じられるのは、すごく嬉しい」とお母さんも喜んでくれました。
かいりくんへお届けした桜は、まだ五分咲きの状態。これから徐々に満開へと花開きます。花が散った後は、新しい葉が生え、葉桜に。
1ヶ月ほどの時間をかけて徐々に変化しながら、かいりくんとご家族を楽しませてくれることでしょう。
1周年を迎える節目に、外出のハードルが高い子ども達へ「おうちでお花見」体験をプレゼントしたいとスタートした「桜配りプロジェクト」。
私たちにとっても「枝もののある暮らし」の魅力を再確認する貴重な機会となりました。
今後もこうした取り組みを続け、枝ものの魅力を一人でも多くの方へお届けできればと思います。
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