【枝もの自社栽培】
長野県豊丘村での枝もの自社栽培をスタート
枝もの産地の未来を見据え、耕作放棄地の再生に挑む
SiKiTOの運営企業である株式会社TRINUSは、このたび長野県豊丘村と連携協定を締結し、枝ものの産地形成に共同で取り組んでいくこととなりました。
「枝もの」はもともと華道で使われる花材のひとつですが、生け花文化の衰退とともに2004〜2022年の19年間で流通量は20.6%も減少しています。
ここ数年は需要が盛り返している地域もありますが、どの地域も生産者の高齢化や後継者不足という深刻な課題を抱えています。
これらの課題は枝ものに限ったことではなく、全国各地で耕作放棄地[*]が増え、管理されていない荒れた土地が増えていることも課題です。
[*]「耕作放棄地」とは、以前耕作していたが過去1年以上作付けしておらず、数年以内に再び作付けする意思のない土地のこと。
枝もの定期便のユーザー数はおかげさまで増え続けているものの、このままでは必要な数の枝ものが仕入れられなくなる!そして、枝もの産地が抱える課題にも貢献したい!
そんな思いで、SiKiTOでは枝もの栽培への参入を検討してきました。
今回連携協定を結んだ豊丘村との出会いは、長野県内の自治体とスタートアップ企業をマッチングする長野県主催イベント「チャレンジナガノ」がきっかけでした。
長野県の南部に位置し、桃・梨・りんご・市田柿などの果物栽培が盛んな豊丘村ですが、農業従事者は減少し続けており村内の遊休農地は約140ha。これは村内の全農地面積の25%にも及ぶそうです。
しかし、日照時間が長く日中の寒暖差が大きい南信州地域は農業に適した土地だと知り、この豊丘村で枝もの栽培にチャレンジすることを決めました。
豊丘村への移住を決めた、現地常駐スタッフ
まず現地に常駐してくれるコア人材を募集したところ、飛び込んできたのが長谷川 漣(はせがわ れん)。
「地域おこし協力隊」として2024年4月に石川県から豊丘村へ移住し、農業を基礎から学びつつ枝もの栽培に向けた取り組みをスタートしました。
雄大な景色に囲まれて、枝ものを栽培する圃場探し
目下の取り組みは「圃場(ほじょう)探し」。先輩農家さんや農業の専門家さんにご指導いただきつつ、拡張余地はあるか?重機は入れるか?土の状態や日当たりはどうか?と様々な観点から最適な場所を探しています。
それにしても豊丘村はどの場所も見晴らしが最高!農作業の疲れも雄大な景色が癒やしてくれそうです。
圃場が決まった後は、栽培品種を決め、苗を仕入れ、作付けを行います。
豊丘村で栽培する品種は、1年のなかでも枝ものの流通が特に少ない4~5月に見頃を迎えるものをと考えており、現在の候補はシロバナマンサク、田無ツツジ、ウラジロギンバなど。
とはいえ、枝ものは作付けから収穫まで長いもので7年程度かかります。それまで収穫おあずけはツラいので、成長が早いユーカリなども栽培していく計画です。
いまは現地スタッフの長谷川と代表佐藤が本取り組みの中心ですが、今年中には他スタッフも豊丘村に赴き、みんなで耕作放棄地の整備や苗植えを行う予定です。
たくさんの枝ものが成長した頃、お客様も現地にお招きして産地ツアーができたらいいなと考えています。ぜひお楽しみに!
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