【二十四節気】
寒露(かんろ)

寒露(かんろ)とは、二十四節気の一つで、草木に宿る露が冷たく感じられるようになり、秋がいっそう深まる頃です。例年10月8日頃に始まり、次の節気である霜降の前日頃まで続きます。朝晩の空気はひんやりと冷たくなり、山々では少しずつ紅葉が進み始めます。すすきやコスモスが秋風に揺れ、空には渡り鳥の姿も。自然の景色がゆっくりと晩秋へ移り変わっていく季節です。
寒露とは
10月8日頃〜10月22日頃
秋がいっそう深まる「寒露(かんろ)」。二十四節気では、秋分の次にあたる17番目の節気です。
「寒露」という言葉が表すのは、草木に宿る冷たい露。白露の頃には朝日にきらめいていた露も、この頃には触れると冷たさを感じるようになります。
日中は過ごしやすい日が続く一方、朝晩はぐっと気温が下がり、一日の寒暖差も大きくなります。
野原ではすすきが銀色の穂を揺らし、コスモスが風になびきます。山では木々が少しずつ赤や黄色に色づき始め、景色にも秋の深まりが感じられるようになります。
空を見上げれば、北から渡ってきた雁などの渡り鳥が列をつくって飛ぶ姿を見かけることもあります。
澄んだ空気、冷たい朝露、色づき始める木々。寒露は、にぎやかだった夏の景色から、静かで落ち着いた晩秋の景色へと移り変わっていく頃です。
寒露の七十二候
10月8日〜12日頃「鴻雁来(こうがんきたる)」

北の国から、雁が日本へ渡ってくる頃。
春に北へ飛んでいった雁が、寒さを避けるため再び日本へやってきます。
空高くV字の列をつくって飛ぶ姿は、秋の深まりを感じさせる風景の一つです。
澄み渡る秋空に渡り鳥の姿を見つけると、人の暮らしだけでなく、生きものたちも季節の変化に合わせて動いていることに気づかされます。
10月13日〜17日頃「菊花開(きくのはなひらく)」

菊の花が美しく咲き始める頃。
白や黄色、紫など、さまざまな色の菊が秋の庭や野辺を彩ります。
菊は日本で古くから親しまれてきた花の一つ。香りや美しい花姿を楽しむだけでなく、長寿を願う縁起のよい花としても大切にされてきました。
空気が澄み、花の色がいっそう鮮やかに感じられる秋。凛と咲く菊の姿にも、季節の深まりが表れています。
10月18日〜22日頃「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
秋の虫たちが、人家の戸口近くで鳴く頃。
ここでいう「蟋蟀(きりぎりす)」は、現在のキリギリスだけを指すのではなく、コオロギなど秋に鳴く虫を表しているともいわれています。

夏には草むらいっぱいに響いていた虫の声も、秋が深まるにつれて少しずつ静かになっていきます。
夜が長くなったこの頃、静かな部屋で耳を澄ませば、戸口の向こうから聞こえてくる小さな虫の音。そんな音にも、秋の終わりが近づいていることを感じられます。
寒露の旬の食べ物・行事
寒露の頃は、山にも畑にも海にも、秋ならではの味覚が豊富にそろう季節です。
野菜では、里芋やさつまいも、れんこん、きのこなどが旬を迎えます。
ほくほくとした根菜や香り豊かなきのこは、炊き込みご飯や煮物、汁物など、体をあたためてくれる料理にもぴったり。朝晩が冷え込むようになるこの季節には、温かな食事がより美味しく感じられます。

魚では、秋刀魚や鮭などが美味しい季節。香ばしく焼いた魚に、大根おろしやすだちを添えるのも秋の楽しみのひとつです。
果物では、柿やりんごなどが甘みを増します。栗や銀杏など、秋の味覚も豊富に出回ります。

また、この頃は稲刈りやさまざまな作物の収穫も大詰めを迎えます。
澄んだ夜空には月が明るく輝き、地域や年によっては、旧暦9月13日の月を眺める「十三夜」のお月見を楽しむ時期とも重なります。
秋の恵みを食卓で味わいながら、深まっていく季節を楽しみたい頃です。
寒露に関する豆知識
「寒露」にはどんな意味がある?
「寒露」は、文字どおり「寒い露」と書きます。
朝晩の気温が下がり、草木についた露にも冷たさを感じるようになる頃を表した言葉です。
一つ前の節気である「秋分」の頃に比べると、日暮れはさらに早くなり、朝晩の冷え込みも増していきます。
とはいえ、まだ霜が降りるほどの寒さではありません。次の節気「霜降(そうこう)」へ向けて、露がやがて霜へと変わっていく、その途中にあたる季節です。
白露、寒露、そして霜降。節気の名前を並べてみると、露の様子を通して秋が少しずつ深まっていく様子が感じられます。
秋のお月見「十三夜」とは?
秋のお月見といえば「十五夜」がよく知られていますが、日本にはもう一つ、「十三夜(じゅうさんや)」という月を愛でる風習があります。
十三夜は、旧暦9月13日の夜に月を眺める行事です。現在の暦では毎年日付が変わり、例年10月中旬〜11月上旬頃にあたります。
十五夜が満月、または満月に近い月を楽しむのに対して、十三夜では満月になる少し前の、わずかに欠けた月を眺めます。
この頃に栗や豆が収穫されることから、「栗名月(くりめいげつ)」や「豆名月(まめめいげつ)」とも呼ばれます。
秋が深まった寒露の頃は空気が澄み、月や星もきれいに見える季節。温かい飲みものを片手に、夜空をゆっくり眺めてみるのも季節の楽しみ方の一つです。
寒露におすすめの枝もの
秋が深まり、木々の葉や実が色鮮やかになる寒露の頃には、赤やオレンジ色の実を楽しめる枝ものがおすすめです。
なかでもこの季節に飾りたいのが、ソラナムパンプキンです。
ソラナムパンプキンは、小さなカボチャのような丸い実をつける、秋らしい表情が魅力の実ものです。鮮やかなオレンジ色の実が枝に連なる姿は、見ているだけでも季節の深まりを感じさせてくれます。

ころんとした実の形には可愛らしさがあり、ハロウィンの時期に向けてのインテリアにもぴったり。数本をまとめて飾れば華やかに、一本だけシンプルに生けても秋らしいアクセントになります。
もう一つおすすめしたいのが、ツルウメモドキです。
ツルウメモドキは、秋になると黄色い実をつけ、熟すと外側の皮が開いて、中から鮮やかな赤橙色の実が姿を現す枝ものです。

つる状に伸びる自由な枝ぶりも魅力の一つ。自然な曲線を生かしてのびやかに飾るだけで、お部屋に野趣のある秋の景色が広がります。
時間とともに実が色づき、表情が変化していくため、飾りながら季節の移ろいを楽しめるのもうれしいところです。
ソラナムパンプキンのころんとしたオレンジ色の実と、ツルウメモドキの動きのある枝ぶり。どちらも、秋色が日に日に濃くなっていく寒露の季節によく似合う枝ものです。
少しずつ長くなる秋の夜、お部屋にも深まる季節を感じる枝ものを迎えてみてはいかがでしょうか。
【枝もの図鑑】ソラナムパンプキン
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【枝もの図鑑】ツルウメモドキ
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寒露のまとめ
寒露は、二十四節気の一つで、草木に宿る露が冷たく感じられるようになり、秋がいっそう深まる頃です。
北から雁が渡ってきて、菊の花が咲き、夜には秋の虫たちの声が静かに響きます。七十二候にも、自然が少しずつ冬へ向けて姿を変えていく様子が描かれています。
里芋やさつまいも、れんこん、きのこ、秋刀魚や鮭などが旬を迎え、柿やりんご、栗など秋ならではの味覚も食卓を彩ります。
部屋にはソラナムパンプキンやツルウメモドキなど、赤や黄色の実を楽しめる枝ものを飾り、深まる秋を暮らしのなかに取り入れるのもおすすめです。
冷たい朝露、澄み渡る空、色づき始めた山々、遠くを渡っていく鳥たちの姿。
朝晩の冷たい空気や秋の光にふと足を止めながら、冬へ向かってゆっくりと移り変わっていく寒露の季節を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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