【二十四節気】
寒露(かんろ)

寒露(かんろ)
10月8日〜10月22日頃
秋さらに深まる「寒露(かんろ)」は、野の草花に宿る露がいっそう冷たく感じられる頃。
白露の頃にきらめいていた露は、今や冷たい露となって秋の終盤を知らせます。
野にはすすきが穂を伸ばし、コスモスが風に揺れ、渡り鳥が列をなして南へと飛び立つ姿も見られるように。
一日の寒暖差が大きくなり、山々の樹木は紅葉が少しずつ進みます。自然の装いがうつろっていく様子は秋の代表的な風物詩のひとつです。
七十二候
10月8日〜12日頃「鴻雁来(こうがんきたる)」

北から渡り鳥の雁が飛来する頃。
V字になって高空を渡る姿は深まりゆく季節を告げる風景のひとつです。
10月13日〜17日頃「菊花開(きくのはなひらく)」

庭や野辺で菊の花が咲きはじめる頃。
凛とした香りを漂わせながら、淡い白や黄色の花が秋風に揺れます。古くから邪気を祓う花とされ、重陽の節句にも親しまれてきました。
10月18日〜22日頃「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
夏から鳴いていた虫たちが、家の近くで音を響かせる頃。
夜長に耳を澄ませば、かすかな虫の声が戸口の向こうから届きます。秋の深まりとともに、その音色がどこか切なく、心にしみます。
旬の味わい、行事など
寒露の頃になると、山と海どちらの幸もいっそう豊かに実ります。
里芋、さつまいも、れんこん、きのこなどの根菜や山菜が旬を迎え、香ばしく焼いた秋刀魚や鮭が食卓を彩ります。夜風のひんやりとした空気のなかで、温かい汁物や炊き込みご飯が恋しくなる季節です。

果物では、柿やりんごが甘みを増し、栗や銀杏も登場します。滋味あふれる秋の味覚が、体の芯から季節を感じさせてくれます。

また、寒露の頃は農作業の大詰めでもあり、稲刈りや実りの収穫が各地で進みます。夜空を見上げれば、冴えた月とともに、冬の星座が少しずつ姿を現しはじめます。
「寒露」まとめ
秋が最も深く静まる寒露。澄んだ空、冷たい風のなかに「静寂の美」が宿ります。
すべてがゆるやかに、次の季節へと向かう準備をしているかのように感じられる時期です。
朝露に映る陽光、黄金色の稲穂、遠くを飛ぶ雁の列。そのひとつひとつに、確かな時の流れを感じます。
秋の深まりを見つめるように、朝の空気を胸いっぱいに吸い込んでみませんか。
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