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記事: 啓翁桜(ケイオウザクラ)の特徴と飾り方|薄ピンクの小さい花が可憐な、早咲きの桜


啓翁桜(ケイオウザクラ)の特徴と飾り方|薄ピンクの小さい花が可憐な、早咲きの桜


啓翁桜メイン

啓翁桜(ケイオウザクラ)の基本情報

植物名 啓翁桜(ケイオウザクラ)
学名 Cerasus ‘Keiō-zakura’
英名 Cherry Blossom
別名 敬翁桜、東海桜、岳南桜、啓太郎桜
科目/属性 バラ科/サクラ属
分類 落葉広葉/高木
原産地 日本
流通時期 12~4月
流通量 ★★★★★
持ちのよさ ★★★★☆

※★は5段階です

暖かい部屋に置いていると数日間で蕾から花が咲きますが、花が散った後には若葉が現れ、花から葉桜まで変化する姿を長く楽しめるため、上記の持ちの評価は4としました。

啓翁桜の特徴

バラ科サクラ属の落葉高木。啓翁桜には、日本を代表するソメイヨシノのような太い幹はなく、細い枝が集まって、その先に薄ピンク色の小さい花を咲かせるのが特徴。

中国系の支那実桜(シナミザクラ)の台木に小彼岸桜(コヒガンザクラ)を交配して誕生した品種で、寒緋桜(カンヒザクラ)の一種です。

一般的な桜よりも早く3月中旬頃から開花し、一足先に春の訪れを感じられる「早咲きの桜」として知られています。お正月や卒業式、入学式などハレの日に飾られることも多く、華やかなシーンがよく似合う枝ものです。

啓翁桜寄り

啓翁桜の花言葉

啓翁桜の花言葉には「純潔」「精神美」などがあります。花言葉は、興味深いエピソードが由来してつけられていたり、花姿そのものを表していたりしますよ。

「純潔」

「純潔」とは、けがれがなく清らかなさま、を意味します。混じりけのないピンクや白の花を咲かせる様子が、清く美しいことからつけられました。

「精神美」

この花言葉は、西洋での花言葉「spiritual beauty(精神の美)」から由来しています。

アメリカの初代大統領のジョージ・ワシントンが子供の時、父が大切にしていた桜の木を誤って切ってしまい、そのことを正直に告白したところ、その正直さをかえって褒められた、という逸話があります。

このエピソードと合わせて、見た目の美しさだけではなく、精神性や品格の高さを表す特別な花として、「精神美」という花言葉がつけられたと言われています。

啓翁桜の飾り方

啓翁桜を花器に生けた様子

啓翁桜は、細い枝からさらに小さく枝分かれし、その先にピンク色の可憐な花を咲かせるのが特徴のお花です。

スプレーのように枝分かれをしているので扱いやすく、お花見で見に行く桜とは異なりますが、生け花やフラワーアレンジメントでよく使用される品種でもあります。

家で桜を生けるときは、そのボリューム感がより美しく映えるよう、花器と桜の枝の長さが1対2程度になるように生けるのがおすすめです◎

枝は自然に花器に傾けるように生けてみましょう。

EDA VSE

EDA VASE | 枝ものを美しく飾る、コンパクトな花器



啓翁桜を飾ったインテリア例

和の雰囲気が良く似合う啓翁桜。クリアな花器にも合いますし、シンプルな陶器の花器なども相性が良いでしょう。少し落ち着いた色味のインテリアと合わせて、上品さを演出してみては◎

花器をリビングの床に置いたり、玄関ホールに置いたりして、よく目につくお気に入りのスペースを華やかに飾るのもいいですね。

花器に生ける時の注意点

花器に生ける際に気を付けるポイントは、まず枝が長すぎる場合は花器に合わせて切ることです。長いままで飾ってしまうとバランスが悪くなったり、枝が広がりすぎてまとまりにくいことがあります。

水につかる枝の断面に切り込みを入れると、水に触れる面積が広くなり、水の吸い上げが良くなります。 花瓶に入れる水の量は枝の3分の1がつかる程度にして、こまめに取り替えましょう。

枝の切り込みを入れる際には、枝ものや花木用の剪定鋏を利用するのがおすすめ◎剪定鋏を選ぶコツは、自分の手に合ったサイズを選ぶことです。

外山刃物

外山刃物 | 太枝も切れる、一生ものになる剪定ばさみ

啓翁桜のお手入れ方法

啓翁桜はその特性を把握して丁寧にお手入れすれば、切り枝にしてから1か月ほど楽しめる枝ものです。比較的長持ちするとはいえ、そのためには日々のお手入れは欠かせません。今回は、枝ものの基本的なお手入れ方法をご紹介します。

基本のお手入れ

1. お受け取り当日の切り戻し

切り戻し

届いた当日のうちに、切り戻しをしてから花器に生けましょう。

その際、根本に十字の切り込みを入れ、木皮を剥いてあげると水を吸いやすくなります。

枝ものをより長く楽しむために、延命剤入りの水に生けるのもおすすめです。延命剤には、花瓶の水が汚れるのを防ぐ効果や、花の色を鮮やかに保つ効果などがあります。

■枝ものを長く愛でるための、鮮度保持剤

鮮度保持剤

花枝に必要な栄養を与え、花器のお水を清潔に保つために、鮮度保持剤を取り入れてみては?切り口の樹液を溶かして水上がりをよくする効果があり、枝ものをより長く楽しめます。

枝もの専用鮮度保持剤はこちらから。

■水上がりを良くするフローリストナイフ

フローリストナイフ

水に浸かる部分の木皮を剥くことで、水上がりをよくしてくれるVICTORINOX(ビクトリノックス)社製のフローリストナイフはこちらから。

世界中のプロが愛用する確かな品質です。

 

2. 枝ものにとって心地よい場所を選ぶ

枝ものは、エアコンの風が当たらない、風通しが良く涼しい場所に置くのが適しています。

リビングはもちろん、玄関やキッチン等どこに置いても空間の印象を変える存在感があります。直射日光を避けて、枝ものの心地いい場所を選んであげましょう。

寝室や洗面所に飾るのも良いでしょう◎

 

3. こまめな水替え

水替え

水は濁ってしまう前にこまめに交換しましょう。その際に切り戻しもするとまた水を吸いやすくなります。

ぬめりがある部分があれば、手で優しく擦り落としてあげましょう。

それでも枝ものの元気がない時は…

短く切って飾る

小分けにして楽しむ枝もの

日々のお手入れをしていても、日が経つことで、どうしても少しずつ水が上がりにくくなっていきます。そんなときは、思い切って短く切り分けてしまうのも一案。

短くなることで水が上がりやすくなりますし、小さな花器に生ければまた違った楽しみ方ができますよ。

啓翁桜の豆知識

啓翁桜寄り

さまざまな日本のサクラ

サクラはバラ科、サクラ属の落葉高木または低木。主に北半球の温帯地域に広く分布していますが、美しい花を咲かせる種類はアジア、その中でも日本列島に多くが集中しています。

日本には、ヤマザクラやオオシマザクラなどの9種類を基本に、変種を含めると100種類以上のサクラが自生しています。沖縄には野生化したとされるカンヒザクラも存在します。

また、これらから育成された園芸品種は200種類以上にもなります。その花の色や大きさ、枝ぶりなどは少しずつ異なりそれぞれ特徴を持ちます。

中でも、啓翁桜は寒緋桜(カンヒザクラ)の一種で、やや早咲きで花びらの先に大きな切れ込みがあるのが特徴です。

啓翁桜の名前の由来

啓翁桜は、支那実桜(シナミザクラ)と彼岸桜(ヒガンザクラ)を接ぎ木=交配させて作った桜の一種です。1930年に久留米市に住む吉永啓太郎(よしながけいたろう)さんの手によって生まれました。

名前は「啓太郎」の「啓」を一文字とって、啓翁桜と名付けられました。「翁」とは、年配の男性や老人のことを敬って呼ぶ敬称。「啓おじいちゃんの作ったサクラ」といったニュアンスの名前なのですね。

ちなみに、啓翁桜は「啓太郎桜」という別名も持っています。

出荷量は山形県が日本一

啓翁桜は、一般的なサクラに比べて早咲きですが、自然環境下だと3月中旬ごろに開花します。しかし、啓翁桜は観賞用としての需要が高いため、促成栽培したものが12月中旬~3月に出荷されています。

山形県では、促成栽培を早くに導入して”株立ち法”と言われる独特の生産方式を導入し、量産に成功。以来全国出荷しており、その出荷量は日本一を誇ります。農閑期に出荷することができるので、農家としてもメリットが大きいと言われます。

ひと足早く春を感じることのできる花としてお正月や卒業式、入学式でよく飾られる啓翁桜は、山形県をはじめとする農家の努力によって、より早い時期での出荷が実現しているのですね。

啓翁桜のまとめ

啓翁桜まとめ

一般的な桜よりも早く3月中旬頃から開花する「早咲きの桜」として知られている啓翁桜。細い枝が集まり、薄ピンク色の小さい花を咲かせるのが特徴です。

花言葉は「純潔」「精神美」。

寒い時期から市場に出回るため、お正月にも飾られ、卒業式、入学式など華やかなシーンがよく似合う啓翁桜。その可憐な小さな花が一生懸命集まって咲く様子は、一足先に、春の訪れを感じさせてくれます。

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